目澤コーチは、チームでのサポート体制にも確かな手応えを感じている。「あとは本人が、僕やトレーナーの言葉に真摯に向き合ってくれて、信じてくれた。ケア担当、トレーニング担当のトレーナーさん二人と一緒にチームでやってこられたのが、僕にとっても本当にうれしい。持ち球をドローからフェードに変えるというのは、ある意味“血を流す”くらいの大きな決断。それを乗り越えての今回の優勝は、本当に価値があると思います」。昨年はメルセデス・ランキング69位とポイントシードは損失。そんな苦しい期間も見てきたからこそ、感じる成長だ。
技術的な進化だけでなく、永峰自身の人間的な成長も見逃せない。「もしかしたら、彼女自身が一番自分を信じ切れていなかったかもしれません。でも、彼女は一つずつ課題を消化していけるタイプ。自分に自信を持てるように、“地道”に積み重ねてきた。30歳で今、キャリアのピークを迎えられているというのは、彼女の“努力”の証しです」と、誇らしげに目を細めた。
永峰はそんな目澤氏の存在について、「初めて会ったときから、自分の知らない知識をたくさん教えてくれました。ちょうどコロナの時期で、打ちこむ時間もありました。そこから常に勉強してアップデートしてくれる。『前はこう言ったけど、今はこうかも』、『ごめん、こっちかも』と、いい意味で頑固じゃない。柔軟に選手によって変えてくれるんです。その姿勢にすごく信頼を置いていますし、聞いたら何でも聞いてくれる。尊敬しています」と大きな信頼を寄せている。
目澤氏は、この勝利は通過点に過ぎないと語る。「シーズンはまだまだ続くし、本人も言っていたように、次は複数回優勝を目指していく。30歳でキャリアのピークを迎えるという姿は、これからの若い選手たちのロールモデルになるはずです。彼女のゴルフや姿勢が、後輩たちに何かを伝えられたら。それを支えることが、僕の役割だと思っています」と穏やかな表情でうなずいた。
師弟で歩んできた5年の歳月が、栄冠という形で花を咲かせた。涙ににじんだ優勝の瞬間は、目澤氏の心に深く刻まれた。これからも“チーム永峰”の挑戦は続いていく。(文・高木彩音)
