「12月と1月の練習量は、これまでの30〜40%くらい。前は朝から晩までできていたので。2月は朝から晩までできるように頑張りたい」
体調、時間的な制約、そういったものも落ち着き、今、勝負の2月を過ごしている。練習ができなかったことのストレスについては、冗談交じりに「体調が悪い時でも顔にできるニキビは1つ。今は(ストレスで)同時に3個できてショックです(笑)」と表現する。もともと「プライベートな時間はない」という一日を、“遅れを取り戻すように”すべてゴルフに使えることは心の安定も生み出す。
では、どんなことが課題になるのか? 可動域を広げることで、「これまではゼロだった」というスイング時の捻転差を意識した新スイングを作り上げるのもその1つ。これにはショットの安定性をさらに増す目的があるのはもちろんのこと、澤木トレーナーによれば、余計な部分に力が入らず、結果的に腰痛の抑制にもつながるということも説明された。
「年間の目標を立てることはしない。まずは1勝を目指します。それをクリアしたら、次の1勝(が目標)」
この積み重ねが、年間複数回優勝、そして女王防衛につながっていく。「日本で一番になったのはまだ去年だけ。最終的な目標は永久シード。あと引退するまで1位の記録を死守したい。例えばパーオン率1位を譲らないまま引退とか。自分の記録は自分で塗り替えたいタイプ。ずっと守っていきたい」。“目標”は立てないが、“目指すもの”は高い。パーオン率80%という驚異的な数値も、モチベーションになる項目の一つだ。稲見が求めるゴルフに、完成はない。そのなかで、少しでも理想に近づけるよう、黙々とクラブを振り続ける。
