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百害あって一利なし!「怒り」の感情を抑え込む4つの方法を専門家に聞いた

百害あって一利なし!「怒り」の感情を抑え込む4つの方法を専門家に聞いた

ミスショットをしたとき、ついカッとなって頭に血が上ることがあるだろう。無意識のうちに地面にクラブヘッドを叩きつけたり、舌打ちしていないだろうか? こうした“怒り”はスコアを乱すのはもちろん、その場の雰囲気も悪くしてしまうため、百害あって一利なし。そんなイライラの感情に振り回されないための方法を紹介。

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2025年5月21日 16時00分

ミスの原因よりこれからどこへどう打つかが大事


ミスショットに怒ってしまったときは、過去を忘れるのがベストです。過去に触れると、かえって怒りが大きくなってしまうからです。

たとえ10秒前であっても、打ち終わったショットは過去の出来事。成功しても失敗しても、すでに起きた事実を変えることはできません。ところが落ち着いて振り返っていると、そこを混同してしまいがちです。「ああすればよかった」「こうすることもできたはず」などと考えて、悔やまれ、怒りがぶり返します。自暴自棄になってミスが続く負の連鎖に陥り、大叩きへまっしぐらです。

怒りにとらわれない最良の方法は、「今この場のことだけ考える」ようにすること。いま目の前にあるボールをどこへどう打っていくかに意識を向けることが重要です。

ゴルフでは、ひとつのミスが引き金となり怒りの感情が一瞬で高まることがあります。その怒りの感情に反応するのをワンテンポ遅らせ、怒鳴ったりクラブを投げたりする行動を先送りするために有効なアンガーマネジメントが、 “ディレイテクニック”という技法です。

音楽を再生するオーディオの機能にもありますが、「ディレイ」は遅延を意味します。さまざまな研究によると、怒りの感情が強い言葉や乱暴な行動になるには約6秒かかります。それを遅らせ、時間かせぎをすると落ち着いて、振り上げたクラブを投げずに踏みとどまることができるのです。

普段の生活から心を整えて過ごす


今回ご紹介するディレイテクニックは4つあり、それぞれの目的は①反応を確実に遅らせる ②冷静になる ③ 怒りの感情から離れる ④ 思考を停止させる、です。具体的なやり方を説明しますのでご活用ください。

怒りの言動を踏みとどまるには、普段の生活からアンガーマネジメントを意識することが大切です。その一歩として、ご自身が使っている理想の言葉「〜べき」に注目し、緩めてみることをオススメします。

例えば、「レジの列には順番どおり並ぶべき」と思うアナタの前に外国人が割り込んできたら? 怒って注意すると、喧嘩になることがあるかもしれません。しかし、普段からこの“べき”を緩めておくと最後尾を指差す、無視する、自分が隣の列に移るなど、自分の行動が変わってイライラしなくなるでしょう。

怒りの感情をゼロにはできなくても、怒らないようにすることはできます。自分のゴルフと向き合い、心の動きをよく観察し、怒りと上手く付き合いプレーを楽しんでください。

怒りの反応を6秒遅らせるディレイテクニック


LEVEL1
3飛びの引き算をする(カウントバック)


100、97、94、91……というふうに、100から3ずつ引く暗算をして数字を声に出して言っていこう。6秒だけ意識を切り替え、怒りの反応を遅らせることができる。

イラッとしても、6秒耐えれば怒りの感情を鎮めることができる。その方法の一つが「カウントバック」。100から3ずつ引く暗算をして数字を声に出そう(イラスト/のり)

イラッとしても、6秒耐えれば怒りの感情を鎮めることができる。その方法の一つが「カウントバック」。100から3ずつ引く暗算をして数字を声に出そう(イラスト/のり)

LEVEL2
落ち着くフレーズを言う(コーピングマントラ)


ワンテンポ置いて心の中で決まり文句をひとつ言い、冷静さを取り戻す。「あそこならなんとかとかなる」「バンカーでもまあいいか」など。

落ち着くフレーズを言う「コーピングマントラ」も効果的。「なんとかなる」「まあいいか」など、心に余裕を持てる言葉を唱えよう(イラスト/のり)

落ち着くフレーズを言う「コーピングマントラ」も効果的。「なんとかなる」「まあいいか」など、心に余裕を持てる言葉を唱えよう(イラスト/のり)

LEVEL3
意識を他へ向ける


指先を見つめ「ツメが伸びている」「ささくれが治った」など感じたことをひとつ言おう。意味を求めず、関係ないことに意識をそらすのが目的だ。

怒りの原因から強制的に意識をそらす「グラウンディング」。指先を見つめて「ツメを切ろう」など、感じたことをそのまま口に出すと効果的(イラスト/のり)

怒りの原因から強制的に意識をそらす「グラウンディング」。指先を見つめて「ツメを切ろう」など、感じたことをそのまま口に出すと効果的(イラスト/のり)

LEVEL4
頭の中を真っ白にする(ストップシンキング)


怒りの反応を遅らせるのに必要な6秒間だけ、頭の中を無の状態にする。最初は心の中で「イーチ、ニー、サーン」と数えたりするのもいい。

怒りが爆発するまでにかかる6秒間を、頭の中を真っ白にすることで鎮静化させる「ストップシンキング」。思考を停止させるのが難しい人は、心の中で数字を数えるのも効果的(イラスト/のり)

怒りが爆発するまでにかかる6秒間を、頭の中を真っ白にすることで鎮静化させる「ストップシンキング」。思考を停止させるのが難しい人は、心の中で数字を数えるのも効果的(イラスト/のり)

【解説】
安藤俊介
(一般社団法人日本アンガーマネジメント協会ファウンダー/新潟産業大学客員教授)
アンガーマネジメントの理論、技術をアメリカから導入した日本の第一人者。教育現場から企業まで幅広く講演、企業研修、セミナー、コーチングなどを行っている。『アンガーマネジメント入門』( 朝日新聞出版)、『アンガーマネジメントを始めよう』( 大和書房)など著書は累計約50冊にのぼる。1971年生まれ、群馬県出身。ゴルフは約3年前に再開し、JGAハンディキャップ7.6の腕前。

◇ ◇ ◇

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