<ヒーローワールドチャレンジ 初日◇5日◇アルバニー(バハマ)◇7449ヤード・パー72>
世界ランキング1位のスコッティ・シェフラー(米国)が、タイガー・ウッズ(米国)主催大会で新たなパッティンググリップをお披露目した。
PGAツアーで多くの統計項目を支配するシェフラーだが、唯一の“泣き所”とも言えるのがパッティング。ストロークス・ゲインドの改善を目指し、新しいクロウグリップを試す決断をした。
クロウグリップとは、左手で普通にパターを握り、右手は手の甲を正面に向けてグリップに添えるグリップのこと。右手に余計な力が入らないため、ストロークの安定感を高められる。
「オフシーズンにいろいろ考え、この週は新しいことを試す絶好の機会だと思った。家でいくら練習しても、競技の場でしか得られない何かがある。実際に試してみて、とてもいい感触だったし、ストロークの改善も感じている」と語るシェフラー。この日は5アンダー「67」の好スコアをマークし、5アンダー・3位タイの好スタートを切った。
シェフラーは短いパットではクロウグリップを使用したが、長いパットでは従来の右手を下に構えるグリップに戻していた。その理由について、「自分は距離感、特に長い距離からのタッチには自信を持っている。ラグパット(長い距離からのパット)が得意なので、新しいグリップではその部分での改善はあまり期待していない。でも、ホールに近づくほど、特に15フィート以内の距離では、新しいグリップの恩恵を感じている」と説明した。
シェフラーは2024年に7勝を挙げて大ブレーク。スコアの貢献度を表すストロークス・ゲインドでは、ほぼすべての部門で上位に入っているが、2024年のパッティング数値は『0.095』で77位にとどまった。ただ、2022-23シーズンの162位から大きな改善を見せた。来季さらに向上すれば、ライバルたちにとって大きな脅威となることは間違いない。
世界トップの座に君臨しながらも、たゆまぬ努力と工夫で挑戦を続けるシェフラー。その成果は今後のシーズンで明らかになるはずだ。これからも“絶対王政”を築くことになるのか。