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クロウグリップは“スマホ”のようなもの? 手を動かす“特効薬”か、“新たなスタイル”か?【記者の目】

クロウグリップは“スマホ”のようなもの? 手を動かす“特効薬”か、“新たなスタイル”か?【記者の目】

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2019年8月27日 09時56分

先週行われた「CAT Ladies」。この大会で黄金世代の淺井咲希がツアー初優勝を挙げたが、それはパターの時に「手が動かない」という苦難を乗り越えてのものだった。高校時代から悩まされたこの症状。当時のことを「そもそも手が動かないし、無理に動かそうとするとパンチが入ってグリーンの外に行ってしまう。ホールアウトできずに、目をつぶってパットを打っていました」と振り返った。

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そんな淺井が“救いを求め”昨年から取り組んでいるのが、クロウグリップだ。これは左手は普通にパターを握り、右手は指を伸ばして手の甲を正面に向けグリップに添えるだけ、というパターの握り方の一種。淺井は、今も「常に(パットには)不安がある」というものの、症状は改善され、レギュラーツアーで優勝をつかむまでになった。

1年前、この大会で初優勝を挙げた同学年の大里桃子も、昨年末から「短い距離も入らなくなった」とパターに悩みだし、今季途中からクロウグリップに変えた。今季は開幕から予選落ちが続いた大里だったが、「KKT杯バンテリンレディス」の試合中に握りを変えると、その後コンスタントに最終日まで戦えるように。そしてディフェンディング大会を前に「やっと(この大会が)来ました。ここからいい流れに変えていきたいですね」と、思い出の地からの巻き返しを誓っていた。

奇しくもここ2年間の大会優勝者が現在採用しているこのクロウグリップは、近年、女子ツアーの会場でもよく目にするスタイルだ。そして、淺井や大里のようにパターに悩んでいる選手の救済策として、この握りを試すという話を耳にする機会は多い。以前、こちらも黄金世代の一人で、やはりパットの時に手が動かなくなりクロウグリップに変えた高橋彩華に話を聞いた時、握りを変更したことで「パターの時にこんなに手が動いたのは久しぶりでした」と、興奮気味に話す姿が印象に残っている。

そもそも、なぜクロウグリップにすることで、上記の選手たちのような効果を生み出すのか? 河本結らのコーチを務める目澤秀憲氏は、そのメリットについて、こう説明する。

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