<ミネベアミツミレディス 北海道新聞カップ 事前情報◇3日◇真駒内カントリークラブ 空沼コース(北海道)◇6667ヤード・パー72>
昨年のプロテストに5度目の挑戦で合格した札幌市出身の政田夢乃が、プロになって初めて北海道でプレーする。リランキング30位と自力でシーズン中盤戦の出場資格をつかみ、この日はプロアマ大会で最終調整。ツアー5試合目で初めて迎える地元大会に「すごくうれしいです。家族や友人も見に来てくれるので」と力が入るが、2日に予選ラウンドの組み合わせが発表されたときは呆然としたという。
「えっ!?と思いました。昨年、優勝を争った2人と私が一緒でいいのかなと…」
同じ北海道出身の小祝さくら、菊地絵理香との注目組入り。小学生のころから知っている小祝とはツアーデビュー戦だった5月の「リゾートトラストレディス」の決勝ラウンド2日間を同じ組で回ったが、プロ17年目の菊地とは初の同組どころか、¨初めまして¨の関係。「小学生のときにmeijiカップを見に行ったときに、菊地さんも出場されていました。そんな大先輩と一緒なんて、すごく緊張します」。地元での試合をギャラリーしていた幼いときに、菊地は既にツアープロ。この日、菊地が「夢乃ちゃんとはしゃべったことがないので、話しかけてくれるとすごく楽だし、楽しめると思う」と話していたことを知っても、「私なんかが話しかけていいんでしょうか」と落ち着かなかった。
QTランク147位からスタートしたプロ人生だが、急きょ主催者推薦で出場が決まった「リゾートトラストレディス」で8位。ワンチャンスをモノにして下部ツアーから¨昇進¨してきた。初々しい狼狽ぶりとは対照的に「試合では緊張したことがない」という豪胆さも併せ持っている。「いい勉強になるはず」と同郷の先輩プロ2人と回る2日間。ツアーに初めて出場した2013年の「ニトリレディス」などアマ時代に北海道で開催された7試合に出た経験も生かしたい。
最後は貪欲な思いも口にした。「できれば、4日間一緒にラウンドできるようについていきたい。それができれば、上位で戦えているはずだから」。プロになって稼いだ賞金は下部ツアーを含めて約518万円。「たくさん賞金をいただいて、回らないおすしを食べてみたいです。回転ずししか食べたことがないんで」。かわいらしい野望を秘めて、いざ出陣だ。(文・臼杵孝志)