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【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】激戦プロテストの向こう側にある危機
【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】激戦プロテストの向こう側にある危機
所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net
配信日時: 2018年7月31日 11時02分
その後も、藤田幸希、佐伯三貴、三塚優子、原江里菜、申ジエ(韓国)、アン・ソンジュ(韓国)、金田久美子らが、単年登録のまま優勝。いずれも、プロテストは免除され、正会員となっている。
ところが11年のプロテスト(7月)をもってこの免除がなくなり、単年登録だった12年に「富士通レディース」で優勝した成田美寿々は、翌13年のプロテストを受験する羽目になっている。
17年、規則はまたしても変更される。ツアー優勝者のプロテスト免除が復活し、イ・ボミ(韓国)、テレサ・ルー(台湾)、キム・ハヌル(韓国)らの実力者をはじめとする海外勢の多くが、正会員となった。だが、制度がなかった間に優勝した選手たちには救済措置はなし。「ついていなかった」で済まされてしまうという非情さだ。16年の「ヨネックスレディス」で勝ったチュティチャイなどはその最たる例といえるだろう。
そんな事情もあって、ツアー経験者が最も多かったといえる今回のプロテストは、20位という合格ラインが通算8アンダーというハイスコアで終わった。もちろん、難易度の問題など、さまざまな要素はあるが、QT導入がツアーの実力の底上げに役に立ったことを証明してもいる。門戸開放という方向性は正しかった。
それなのに、一度広げた門戸を狭めるという愚かな選択が行われるのはなぜか。「制度がややこしかった」というのが発表されている理由だが、テストとのダブルスタンダードが、ことをややこしくしていたのもまた事実。だったら、テストをやめにしてQTだけにすればよさそうなものだが「定款上、会員が社員なのでそうはいかない」(LPGA広報)と、そちらに手を付ける気はさらさらない。
せっかく、一度広げた門戸を狭めることについて、小林浩美会長が口にした「一定の役割は果たした。今は変革期」という言葉は、大きな危険をはらんでいる。門戸開放でせっかく、いながらにして実力のある海外勢と戦えているのに、これが失われるかもしれないからだ。狭い門戸でも海外から実力者が集まってくるツアーになった、と考えているとしたら、それは思い上がりというもの。おごれる者は久しからず。10年後「忠治の世の夢のごとし」と、この時期の制度変更について、後悔することにならなければいいのだが…。(文・小川淳子)
ところが11年のプロテスト(7月)をもってこの免除がなくなり、単年登録だった12年に「富士通レディース」で優勝した成田美寿々は、翌13年のプロテストを受験する羽目になっている。
17年、規則はまたしても変更される。ツアー優勝者のプロテスト免除が復活し、イ・ボミ(韓国)、テレサ・ルー(台湾)、キム・ハヌル(韓国)らの実力者をはじめとする海外勢の多くが、正会員となった。だが、制度がなかった間に優勝した選手たちには救済措置はなし。「ついていなかった」で済まされてしまうという非情さだ。16年の「ヨネックスレディス」で勝ったチュティチャイなどはその最たる例といえるだろう。
そんな事情もあって、ツアー経験者が最も多かったといえる今回のプロテストは、20位という合格ラインが通算8アンダーというハイスコアで終わった。もちろん、難易度の問題など、さまざまな要素はあるが、QT導入がツアーの実力の底上げに役に立ったことを証明してもいる。門戸開放という方向性は正しかった。
それなのに、一度広げた門戸を狭めるという愚かな選択が行われるのはなぜか。「制度がややこしかった」というのが発表されている理由だが、テストとのダブルスタンダードが、ことをややこしくしていたのもまた事実。だったら、テストをやめにしてQTだけにすればよさそうなものだが「定款上、会員が社員なのでそうはいかない」(LPGA広報)と、そちらに手を付ける気はさらさらない。
せっかく、一度広げた門戸を狭めることについて、小林浩美会長が口にした「一定の役割は果たした。今は変革期」という言葉は、大きな危険をはらんでいる。門戸開放でせっかく、いながらにして実力のある海外勢と戦えているのに、これが失われるかもしれないからだ。狭い門戸でも海外から実力者が集まってくるツアーになった、と考えているとしたら、それは思い上がりというもの。おごれる者は久しからず。10年後「忠治の世の夢のごとし」と、この時期の制度変更について、後悔することにならなければいいのだが…。(文・小川淳子)