短い距離を確実に決めきるのが“勝負強さ”。そしてアンにはパッティングでは何年も続けている練習があるという。
「彼女は何年も前からグリーン上に練習用のマットを持ち込んで練習しています。ボールを置く位置、目線、アライメントをいつも同じにするためです。ストロークにこだわる人は多いですが、アン選手の場合はボール位置にこだわって練習しています。ボールの位置が1センチ変われば、パターのフェースの開き具合も変わる。プレッシャーがかかる場面ほど、この基礎的な練習が効力を発揮してくれるのです。一流のプロは1つ、必ず自分のポイントを持っているものです。パッティングに関してはアン選手の場合はそれがボール位置なのでしょうね」。
■ 女子プロNo.1の分厚いインパクトは“ターフの長さをイメージする練習”から作られる
ここぞ、という時のパッティングを入れる力。もちろんアンの心の強さもあるが、日々の地道な努力こそがその源になるのだ。またショットに関してもアンは非凡なものがあるという。
「通常の選手では肩が90度ぐらい入るのですが、彼女の場合は120度は入っているでしょう。そして、ショットの際の重心はかなり深く、地面の中にあるのではないかと思うぐらい。この下半身の安定感の、捩れを生む柔軟性が彼女の武器です。よくベタ足が素晴らしいといわれますが、彼女は右足がめくれないだけでなく、左足もまったく浮かないのです。女子プロNo.1の分厚いインパクトはこのスイングから生み出されるのです。イ・チヒ選手も素晴らしいインパクトですが、厚さはアン選手のほうがありますね。彼女は練習の際、ボールの10〜15センチ先にティを刺しています。ターフをとる長さをしっかりイメージして練習しているのです」