昨年の6月6日はPGAツアーとLIVゴルフを支えるサウジアラビアの政府系ファンド、PIFの「統合合意」が伝えられた日。なんの前触れもなかったショッキングなニュースにゴルフ界は騒然とした。当時発表されたのは「枠組み」で、合意は昨年12月末までに実施予定だった。しかし、その期限を半年近く過ぎた現在も未だ合意は成立していない。
「メモリアル・トーナメント」に出場しているローリー・マキロイ(北アイルランド)は初日を「70」の12位タイで終えたあと、7日(金)の午後ニューヨークでPGAツアーとヤシル・アルルマヤン会長を含めたPIFが会合を行うことを明かした。
マキロイによると先月、PIFとの直接交渉を任務とする小委員会のメンバーに指名されて以来、週に3回PIFと話し合っているという。そして今回の会合は結成後、初対面となる。委員会の他のメンバーは、タイガー・ウッズ(米国)、アダム・スコット(オーストラリア)、PGAツアー・コミッショナーのジェイ・モナハン氏、理事会連絡役のジョー・オギルビー氏、PGAツアーエンタープライズのジョー・ゴーダー会長、フェンウェイ・スポーツ・グループ代表のジョン・ヘンリーが出席予定。マキロイはリモートで出席するという。
マキロイは「話すよりも、聞く方に徹するよ」とコメント。さらに、「今後もLIVゴルフの勢いが減速していくことはない」とし、その理由には「2029年までの契約選手がいる。ニューヨークにオフィスを購入し、すでに200人以上のスタッフを抱えている」ことなどを挙げた。「今後はLIVゴルフと協力関係を持ち、うまくいけば選手が両方のツアーでプレーできるようになるかもしれない。そういうことを今後数週間かけて話し合う」と語った。(文・武川玲子=米国在住)