松山英樹が2週前に行われた「ジェネシス招待」を制し、アジア人最多となる米ツアー9勝目を挙げた。この大会はスーパースター、タイガー・ウッズ(米国)がホスト。思い返せば、米ツアー初優勝は“帝王”ジャック・ニクラス(米国)がホストを務める2014年の「ザ・メモリアル・トーナメント」だった。
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当時22歳だった松山は、首位と2打差の3位から最終日をスタート。途中、池ポチャやドライバーが折れるトラブルがありながらも、8バーディ・3ボギー・1ダブルボギーの「69」。トータル13アンダーでケビン・ナ(米国)と並び、勝負の行方はプレーオフに持ち込まれた。
折れたドライバーはプレーオフで交換することができたが、松山はティショットで使い慣れた3番ウッドを選択した。右のバンカーに入れたものの、ナがティショットをクリークに落とすミスショット。松山はセカンドもグリーンをオーバーするミスだったものの、3打目でグリーンをとらえると先にパーをセーブし、“帝王の庭”で悲願の米ツアー初優勝をつかんだ。
ホールアウト後は、ニクラスから祝福の出迎え。表彰式や優勝会見にもニクラスは出席した。「彼のプレーはずっと前から良いと思っていた。彼のテンポはすごく良くて、冷静さがある。とても落ち着いているね」と褒めたたえた。
レジェンドがホストを務める大会で初Vを挙げた松山は「この場所で優勝できて本当にうれしいです」と、青空のもとで笑顔を弾けさせた。
松山が2021年に「マスターズ」で悲願のメジャー初制覇を果たした際も、ニクラスは「日本人男性ゴルファーとして初めてメジャー大会を制覇したことに、心からのお祝いを送りたいと思います。ヒデキだけでなく、日本のゴルフ界全体にとっても大変うれしく、喜ばしいことです」と賛辞の言葉を送っていた。
そして、松山は次週「アーノルド・パーマー招待」に出場予定。もちろん、故アーノルド・パーマー(米国)がホストを務めていたトーナメントだ。米ツアー10勝目をレジェンドホスト大会で達成するのか、注目だ。