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■背中痛で“変わったこと”と“変わらなかったこと” この2つが勝利へとつながった
1打差2位発進と好スタートを切った吉田弓美子だったが、今大会は常に棄権が頭をよぎっていた。原因は先週の「KKTバンテリンレディス」を棄権する理由となった背中痛。ケアを施して状態は良くなりつつあるものの、優勝争いを演じていた最終日の4番で覚悟を決めるまでは離脱の危機だった。優勝後、吉田自身も「不思議な勝ち方」と話している。だが、このトラブルが良い方向に向いた部分もあると辻村氏。
「プロゴルファーは最高の状態を目指して日夜調整をしていますが、ベストな状態のときこそプレーに“色気”が出るというかできなかったことを複雑に考えてしまうもの。その点、今回の吉田選手は怪我をしてしまったことでやるべきことが限定されたので、余計なことがそぎ落とされてプレーがシンプルに見えました。優勝争いの相手とのかけひきも、やること、やれることが少なく、ひたすら目の前の一打に集中していました。パットもそうです。細かいことを気にせずに決めたらスパッとシンプルに打てたからこそ、高麗芝でも3パットをしなかった」
いつも以上にシンプルとなった思考法。一方で背中痛でも変わらなかったのは技術の部分。
「彼女は歯切れの良いショットが持ち味のショットメーカーです。長いクラブはしっかりと振って、短いクラブはフェースローテーションを抑えてラインを出すのが特徴。今回もこの2つで高低差のある川奈を攻略しました。背中の痛みがあってもスイングプレーンは全く変わらないし、背中の弱さに合わせたスイングができていました。力み、打ち急ぎがないのです。こんなに優しく打てるんだ、と見ていました。もちろんアプローチなどの確かな技術は言わずもがな。体のスランプを見事に技術でカバーしていましたね」