「決まったルーティンをしない、というのは“決めごとを決めない”という風にも取れると思います。プロアスリートというのは計り知れないセンサーを持っている選手が多く、“今の自分にとって何がベストなのか”というものにとても敏感です。それを思いついたときにルーティンをガチガチに固めていると、これをしないと、あれをしないと、と制限がかけられてしまう場合があります。また、何らかの理由でいつものルーティンができなかった、となるとそのことをずっと悩んでしまいプレーに集中できなくなることもあるかもしれません。そのために“決めない、と決めている”ことで上手くいっている選手もいるでしょう。もちろん個人差があって、ルーティンをしっかり決めたほうが良いという選手もいます」
もう1つ注目すべき点として、前編後編通じてイメージトレーニングなどゴルフに関することをしている選手がいなかったことが挙げられる。その点について河邊氏はこう見ている。
「今回聞いた選手たちがイメージトレーニングなどの、ゴルフに関することをしていないのは、技術的なこと戦術的なことはすでに前日までに済ませており、すでに確認は終えているからというのもあると思います。それらのことはコースに行ったらやればよい、と考えているのではないでしょうか。それよりも車の中では“いかに体を良い状態に持って行くか”ということを無意識的に取り組んでいると言えます」
では、四六時中ゴルフのことを考えていない我々アマチュアは、大事なラウンドに向けての移動中はどうしたらよいのか。
「大事なコンペやデートラウンドの前にアマチュアの方にお勧めなのは、自分が“今日のラウンドで大事にしたいこと”を車の中で考え、決めることです。それも“100を切る”といったことではなく、“必ず打つ前に深呼吸をする”“目の前の一打に集中する”とった自分がコントロールできることにしましょう。すると、たとえスコアが悪かったとしても、決め事が自分に良かったのか、それとも悪かったのかがより明確になり、次のゴルフの時に活きると思います」