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ロングシーズンをどう生き延びる? コロナ禍での救済措置“特別QT”とは【記者の目】

ロングシーズンをどう生き延びる? コロナ禍での救済措置“特別QT”とは【記者の目】

所属 ALBA Net編集部
谷口 愛純 / Azumi Taniguchi

配信日時:2020年9月8日 15時30分

例年ならば8月からファーストQTが始まり、セカンド、サードと勝ち上がった選手が12月のファイナルに進出。そこで決勝に残った選手がツアーメンバーとして出場権を獲得するが、今季はシーズン統合となったため、19年のQTでツアーメンバー入りができなかった選手たちは来年末まで、いわば“職場”を失う。そういった選手への救済措置として設けられたのが『特別QT』だ。

この特別QTでトップ10に入った選手を、19年のQTランクのあいだに組み込んでいくシステム。特別QT1位の選手を『10.5位』、2位の選手を『20.5位』…、というように19年末に決まったQT順位の10位以降に振り分けていく。10月からファースト、ファイナルの2段階で行われ、19年のファイナル進出を決めた選手も再挑戦が可能。たとえば、QTランク73位の比嘉が特別QTでトップ3までに入れば、レギュラーツアーへの出場可能性は現状よりもぐっと高くなる。トップ10に入れなかった場合は19年のランクが適用されるため、追加のエントリーフィーは必要となるがリスクは高くない。一方で、特別QTの10選手が入ることにより、19年のQTランクは現状から1割程度下がる見込みとなっている。

全ての選手に門戸が開かれた特別QTだが、10枠という狭き門。現状でファーストQTは、1会場あたり108人を目安として5会場を用意。その中で最終的にトップ10に入るのは容易な戦いではない。

JGTO競技担当理事の田島創志は、「このコロナ禍で、すべての選手が100%納得できる形は難しい。ただ、挑戦したいという選手には、できるだけチャンスを与えたいという思いをもってやっています」と、様々な立場の選手を考えながら悩んだ末の打開策だった。

新型感染症による未曾有の事態に、先が見えない不安は続く。その中で、少しでもプロスポーツ選手が生き残るためには、手探りで制度も変えていくしかない。(文・谷口愛純)

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