南アフリカのレジェンドでマスターズ3勝、全英オープン3勝を含むメジャー9勝のゲーリー・プレーヤーが、その優勝トロフィーを巡ってオークション会社と大トラブルに発展している。
ゴルファーのメモラブルアイテムをオークションで売買する『ゴールデンエイジ・オークション』は前週末、プレーヤーが1974年に勝利した全英オープンのクラレットジャグ(優勝トロフィー)のレプリカを、48万1068ドル(約7200万円)で売買したということが報じられた。売り主も買い手も公表されてはいない。
しかし、この報道にプレーヤーは怒り心頭。「1974年に私が勝利して得たクラレットジャグのレプリカが売られたと報道されているが、私はこの間違った報道を正す必要がある」と、自身のXに投稿した。
曰く「1974年のマスターズと全英オープンのトロフィーはどちらも私、もしくは私の会社から売られたことはない。これらのトロフィーはいずれもメジャー勝者が自分で楽しむために与えられたもの。オークションで売り出すことは私の意に反しており、これを解決するために法的手段をとる」と強い口調で主張した。
しかしながら、こういったものがオークションに出されたのはこれが初めてではない。2020年には、1978年のマスターズ、1965年の全米オープン、1972年の全米プロ選手権のトロフィーがゴールデンエイジ・オークションによって売買されている。「私の許可なしで売買された」と主張するプレーヤーに対し、ゴールデンエイジ・オークションは反論の声明を出した。
「残念ながらプレーヤー氏の主張は正しくない」とは同社代表のライアン・カリー氏。
。さらに「コロナ禍が始まってからすぐ、ゲーリー・プレーヤーの会社は重大な資金繰りの問題があったため、これらのレプリカトロフィーを売却しようと多くのオークション会社に打診した。そこでゴールデンエイジが個人取引の仲介をした。取引はゲーリー・プレーヤーズ・ブラックナイト・インターナショナルと直接行われた。個人バイヤーは1974年のクラレットジャグをその年の11月に公のオークションに出している。そのことをプレーヤー氏は認識している。したがってきょうのステートメントは大変矛盾している」と続ける。
さらにプレーヤーに対して、「ゴルファーとして成し遂げたことに最大限の敬意を払っているが、不正確な発言はいかなる状況においても容認できるものではない」と主張した。
過去には元マネージャーで息子のマーク氏が未払いロイヤリティをめぐる法的紛争でプレーヤーに500万ドルが支払われ、裁判にまで発展している。88歳にしてなおパワフルなプレーヤーだが、ここからさらなる“お家騒動”に発展することになるのだろうか?(文・武川玲子=米国在住)