<KKT杯バンテリンレディス 初日◇17日◇熊本空港カントリークラブ(熊本県)◇6596ヤード・パー72>
プロ2年目・六車日那乃が実測182ヤードの8番パー3でホールインワンを決めた。昨年のプロデビューから17試合目で初のエース。ゴルフ人生5度目、ツアーではアマチュアだった2022年「大東建託・いい部屋ネットレディス」初日以来となる2度目の快挙だったが、ティイングエリアからピンがはっきり見える打ち下ろしのホールにもかかわらず、なぜかカップインの瞬間を見届けることはできなかった。
5番ユーティリティを握り、ボールはグリーン左奥にあるピン方向に向かって飛んだ会心ショット。だが、「目が悪くて…」と打った本人は最後までボールを追えず、グリーン奥にこぼれたと思いこんでいた。「きょうはピン位置が奥で難しくて、奥にこぼれても仕方ないと思っていたら、ギャラリーの方が『入った!』って。それでも、疑っていたんですけど、グリーンに上がってカップの中を見たらボールがあって、良かったと思いました」。
視力は裸眼で両目とも1.0。普段の生活に支障はない。だが、遠くのボールが見えづらい。どうして? 話題はそこからエースの快挙もそっちのけで、横道にそれた。
プロゴルファーにとっては切実な問題。以前から悩みのタネだった。眼科で診てもらっても「異常なし。視力はいいですよ」と診断される。それでも、事情を説明し、今季の開幕前にコンタクトレンズを処方してもらい、左右とも視力1.5になった。
「今年はさすがに自分のボールが見えるようになりたいと思って病院に行きました。コンタクトをすると見えます。でも、きょうはホテルに忘れてきてしまいました。よくあるんです」。この日は裸眼でのプレー。これが快挙を見逃した一部始終だった。
インから出て17ホール目、賞金20万円のエースが飛び出し、最終9番はダブルボギー。それでも、笑顔で引きあげてきた23歳は「先にダボが来たと思えばいい。ちゃんとホールインワンを喜ぼうと思いました」と、いつものおっとり口調で話し、また笑いを誘った。
最終QTを9位で突破し、第1回リランキングまでの出場権を手にして2年目のシーズンを戦っている。開幕から4試合連続で予選落ちも、前週の「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」で今季初めて予選を通過した。56位の成績にはもちろん満足できないが、「どこまで(予選落ちが)続くんだろう思っていた。少しずつだけど、できることが増えてきた。前向きな気持ちになれました」と目線を上げて今週は臨んでいる。
1アンダーの21位から、まずは2週連続の予選通過を目指す2日目のラウンド。忘れ物に気をつけて、コンタクトを装着すれば視界はきっと良好だ。(文・臼杵孝志)
