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木戸愛は右片手打ちドリルを愚直に毎日300球打ち続ける【2022年女子プロの逆襲】

木戸愛は右片手打ちドリルを愚直に毎日300球打ち続ける【2022年女子プロの逆襲】

配信日時:2022年2月1日 07時30分

9番アイアンでティアップしたボールを右手1本で30〜40ヤードを打つ地味なドリルだが、この動きがすべてのショットにつながっているという。ドリルのテーマは押すインパクト。手首を使ってパチンと払い打つのではなく、右手首の角度をキープして下半身リードで振り下ろし、ヘッドを低いところから入れてしっかりボールを押す。このドリルをコツコツと愚直に続けたことで、スイングがシンプルになり弾道が安定してきたという。

「最初は右手1本ではうまく打てず必死になって打っていましたが、目的を持ってやり続けることで楽しくなってきました。インパクトの音が大事。いつも同じ音が出るようになり、その音を聞けるようになってきました」

地味なドリルを愚直にやり続けたことで、木戸のスイングは確実に進化した。かつてと比較すると、腕は振っているけど使ってはいない印象。体の回転でシンプルにクラブを振っているから手元が体の近くを通り力強い押すインパクトになっている。

誰もが木戸のようにコツコツと地味な練習をやり続けられるわけではない。結果を信じて愚直に右片手打ちを続ける木戸を見ていたら、いぶし銀のプロレスラー、父・木戸修の血流と教えを受け継いでいるなと感じた。木戸修氏は関節技のスペシャリストであるカール・ゴッチから直接指導を受け、厳しい練習に耐え、プロレス界のトップで活躍した。その父の姿が右片手打ちを続ける木戸に重なった。

「父からは気持ちがあるなら続けなさい。やることをやっていれば必ず実る、と言葉をもらいました」

一つのことをやり続ける、努力し続けることも才能。努力は決して裏切らない。今年で33歳を迎える木戸愛の逆襲は必ずあるだろう。22年の初陣は推薦出場となる女子ツアー開幕戦、「ダイキンオーキッドレディス」。この試合で復活への階段を一つ上るに違いない。(取材・文/河合昌浩)

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