<大王海運レディス 2日目◇26日◇エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)◇6540ヤード・パー72>
単独首位に立った都玲華(みやこ・れいか)がステップ・アップ・ツアー史上6人目となるアマチュア優勝に王手をかけた。3位から出て、6バーディ・ボギーなしの「66」をマーク。この日のベストスコアで一気に混戦を抜け出した。
「ティショットは今一つだったけど、セカンド以降は安定していたので、これといったピンチもなく回ることができた。毎日楽しくやっています」
1番パー4でピン手前5メートルを沈めて幸先よく滑り出した。5番パー5は残り220ヤードを3番ウッドで2オンし、9番パー5はグリーン奥のカラーからパターで7メートルを沈めた。前半だけで4つ伸ばし、この時点で首位タイに浮上。後半も11番パー5で2メートル、初日に続いてこの日も最も難しいホールとなった16番パー3は6メートルをねじ込み、終わってみれば2位に2打差をつけてリーダーボードの一番上に立った。
「とにかく勝ちたい。ここまで伸ばしたので、無駄にしたくない。これからの自分のためにも、しっかり狙ってスコアを伸ばしていきたいです。狙うといっても、やることは同じ。やるべきことをやった結果として優勝があればいいかな。でも、勝ちたいです」
最終日を逃げ切れば、2017年「静ヒルズレディース 森ビルカップ」の平塚新夢以来となる6人目のアマチュアV。合格ラインに4打届かなかった昨年の最終プロテストなど、これまでプロテストに3度失敗している20歳は「プロになったときに、こういう状況が来るかもしれない。そのときのためにも、最終日は勝ちに行きたい」と勝ちにこだわっていく。
レギュラーツアーにはこれまで13試合に出場し、35位になった今年3月の「明治安田レディス ヨコハマタイヤゴルフ」など3試合でベストアマになった。実績は十分ながら、あと一歩のところで逃してきたプロの肩書。ステップで優勝すれば、今年のプロテストは2次が免除され、11月の最終に直行できる。「今度で4回目。2次が免除されるのは本当にありがたい。そのためにも優勝したいんです」。
昨年に比べ、体が大きくなった。サイズアップしたボディのおかげで飛距離もグンと伸びた。だが、本人は赤面の告白だ。「太っただけです。昨年の夏から実は15キロ太りました。5キロ増を目標にしていたのに…。食事がおいしくて、幸せな太り方でした。でもショック。前のウェアは入らなくなりました。今の体重はもちろん内緒。理想のベスト体重は57キロ。それで想像してください」。実は2日前から減量をスタート。「見た目はどうでもいいけど、体に切れがなくなった感じがするので。でも、三日坊主でしょうね」と笑った。
悲願のプロテスト合格にもつながる最終日の18ホール。祝宴でおいしいものをたくさん食べるためにも、がむしゃらに勝ちにいく。(文・臼杵孝志)
【過去のアマチュアによるステップ優勝】
2010年:高橋恵「ANA PRINCESS CUP」
2014年:堀琴音「ABCレディース」
2015年:新垣比菜「ラシンク・ニンジニア RKBレディース」
2016年:吉本ひかる「ルートインカップ 上田丸子グランヴィリオレディース」
2017年:平塚新夢「静ヒルズレディース 森ビルカップ」