8日、男子ゴルフの米国と欧州の対抗戦「ライダーカップ」を米国で主催するPGA・オブ・アメリカが、2025年の米国チームキャプテンがキーガン・ブラッドリーに決まったことを発表した。今年6月に38歳になったブラッドリーは、アーノルド・パーマーの34歳に次ぐ米国チーム歴代2位の年少キャプテンに就任する。
事前の予想では次期キャプテンの最有力候補として、タイガー・ウッズが本命視されていた。しかし48歳のタイガーは現在PGAツアーのポリシーボードでサウジアラビアの政府系ファウンド、PIFとの統合問題で大きな役割を担っている。それもあり「ライダーカップのキャプテンという重責は果たせない」として候補から降りたものと見られている。そこで突如浮上したのが並々ならぬライダーカップへの情熱を燃やすブラッドリーだった。
現在、世界ランキングは19位。昨年はPGAツアーで2勝を挙げ、9月に開催された前回のローマ大会にはポイントで代表入りの可能性も十分にあった。しかしそこから漏れると、後はキャプテンのザック・ジョンソンに選ばれることを待ち望んだが、無情にも自分の名前は挙がらず。ジョンソンはジャスティン・トーマス、リッキー・ファウラー、ジョーダン・スピースをチームに招き入れた。ブラッドリーが選ばれなかったショックの瞬間はNetflixの『フルスイング』でドキュメンタリーとしても紹介されている。
しかし米国チームはローマ大会で大敗を喫し、ジョンソンの選出も批判の的になっていた。ブラッドリーにとってライダーカップで勝利することは、自身のトラウマを解消することもつながる。
米国のメダイナCCで開催された2012年大会では、日曜非のシングルスで欧州チームのローリー・マキロイ(北アイルランド)に敗北。結果的にこの負けが欧州勝利を決定づけるものになった。ブラッドリーは悔しさを胸に自宅に戻ったが、そのときのスーツケースは今もほどけずにそのまま置いてあるという。
X(旧Twitter)では「いつかライダーカップで勝つまで、このスーツケースは決して開かない。あの週以来、ライダーカップが僕にとって本当に重要になった」とコメントもしている。次回のライダーカップは来年9月に、ニューヨーク州ロングアイランドのベスページ・ブラックで開催される。(文・武川玲子=米国在住)