<LPGA Qシリーズ(最終予選) 初日◇5日◇マグノリア・グローブGC(米アラバマ州)◇クロッシングズC=6664ヤード・パー72、フォールズC=6643ヤード・パー71>
日本の絶対的エースが貫禄のプレーを見せた。山下美夢有が初出場となった米最終予選会(Qシリーズ)で6アンダー・3位発進。クロッシングズコースをボギーなしの「66」で回り、7人が出場する日本勢で最上位につけた。
世界ランキングはフィールドで最高の14位。そんな注目を浴びながらティオフすると、前半のバーディは4番パー5のひとつのみだった。「パー5で取れるようにというマネジメントをしていたので一つ目がきて良かった。前半は耐えながらが続いていてショット的には悪くなかった」。耐えるゴルフに焦りはなく、チャンスが来るのを待った。
そして後半、12番をユーティリティで2メートルにつけてバーディとすると、13番パー5も連続で奪った。15メートルほどのロングパットを決めた15番からは3連続。後半を「31」にまとめて一気に浮上した。「気づいたら6つ、スコアづくりができていた。やっぱりパットとショットがかみあえばスコアが出る」と満足感もにじませる初日。パターはマレット型と2ボール型の2つを持ち込み、練習ラウンドではそれぞれ感触を確かめる姿もあった。
キャディは昨年の最終予選会で吉田優利のバッグを担いだジョン・ベネット氏。数週間前に決まったという「初めて」のタッグだが、「キャディさんといろいろ話をしながら番手選びをして、タテ距離も合っていた」と振り返る。
最終18番ではグリーン手前のバンカーにつかまったが、そこからのショットがカップに蹴られた。同伴競技者からも思わず『Wow!』という感嘆の声が漏れるほどのナイスセーブ。「あしたにつながる。あしたからもノーボギーのラウンドで頑張りたい」とフォールズコースでの2日目を見据えている。
2コースを使用する90ホールの戦い。「コースが変わってもやるべきことをやる。ひとつでも(バーディが)取れるように。気温もだいぶ低くて想像より体が回らない。リズムを大事にしていきたい」。この勢いのまま、“いつも通り”のプレーでさらに伸ばしていきたい。(文・笠井あかり)