畑岡奈紗、古江彩佳、渋野日向子、原英莉花など、2026年は過去最多となる日本勢15人が出場する米国女子ツアー。その動向にも注目だが、試合以外や海外勢のこぼれ話まで伝えるのはなかなか難しい部分も…。そこでツアーを長年取材しているカメラマン・南しずか氏が気になるネタをピックアップ。これを見れば“米女子ツアー通”になれるかも!?
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いいパフォーマンスを発揮するため、選手は心身ともにベストな状態の維持しようとする。そんなトップアスリートのプレーを、日本のファンは間近で見たいだろう。だが、双方の思いは必ずしも両立しない。そこに米女子ツアーの悩ましさがある。
今季は33試合(31試合+非公式2試合)を予定されている。世界各地を転戦するタフなツアーだ。選手は自身のコンディションを考慮しながら出場する試合を選択する。一方で、ルーキーや下位選手は出場資格が限定的になり、試合を選ぶ余裕はなくなる。出られる試合で結果を残さなければならない。
選手によって出場資格などの違いはあるが、昨年の平均出場数は20試合前後だった。
まさに、「シェブロン選手権」で優勝して世界ランク1位に返り咲いたネリー・コルダ(米国)が理想とする試合数である。「燃え尽き症候群やケガのリスクを考えると18~20試合くらいがベスト。4試合連続の出場は避けたい」と話す。
独自のスタイルを貫く選手もいる。エンジェル・イン(米国)はメジャーで力を発揮するため、その前週は試合に出場しない。昨年は4月下旬から8月上旬までで出場はわずか6試合(メジャー5試合+1試合)だった。そのうちメジャー4試合でトップ10入り。見事である。
日本勢ではルーキーだった竹田麗央がツアー最多の30試合に出場した。「(日本ツアーでも)休むという感覚がなかった。出られる試合は出る、という感じですね」と平然としていた。
長距離移動に時差、4日間大会――。過酷な環境、スケジュールであることは理解できる。それでも、11月に日本で開催される日米共催「TOTOジャパンクラシック」に世界トップランクの選手の出場が少ない現状は、やはり寂しいところ。ジーノ・ティティクル(タイ)は2022年、ネリーとチャーリー・ハル(イングランド)は18年が最後だ。
その背景にはツアー規定もあるだろう。米女子ツアーには、シーズン終了時のポイントランキング上位80位以内の選手は「同一大会を4年連続で欠場できない」というルールがある。ただし、米国外で開催される試合は適用外。託児所などのサポートを米本土と同じように提供できないためだ。
言うまでもなく、選手にはいいコンディションでプレーしてほしい。だが、日本のファンとしては、できるならそのプレーを生で見たい。悩ましいところだ。(取材・文/南しずか)