<ダウ選手権 最終日◇14日◇ミッドランドCC(ミシガン州)◇6301ヤード・パー70>
感情を表に出さない冷静沈着なプレーが持ち味の古江彩佳が、ツアー唯一のペア戦の最後に豪快なガッツポーズを見せた。
それは最終18番パー3での出来事。浮島グリーンのピン位置は右手前で、少しでも外せば池ポチャ、ラフからの難しいアプローチが残る厄介なポジションだ。
まずはペアを組む西村優菜が「勇気を持って打った」ティショットで勝負に出る。ボールはピンのさらに右、狭いショートサイドに落ちてチャンスを演出。すると古江も負けじとピン左サイド約5メートルにつけるショットを披露した。
同組の岩井明愛&千怜ペアも続けてチャンスにつけ、4人全員がピンに絡めるショットの競演。最終ホールは大きな盛り上がりを見せた。
先にバーディパットを沈めたのは千怜。すると古江に気合がにじむ。「岩井姉妹と回っていい刺激があったんですが、先に決められちゃうとこっちも入れてやろうという気持ち」。お返しとばかりにきっちりと沈める。カップインした瞬間、普段コースで見せない力強いガッツポーズが飛び出した。
最高の締めくくりで歓声を浴びたチーム『Minis』は、7バーディ・ボギーなしの「63」をマーク。渋野日向子&勝みなみの『Hina Mina』に並ぶ日本勢最上位の5位タイで大会を終えた。
古江はこれまでリン・シユ(中国)、アン・ナリン(韓国)と海外勢とのペアで参戦してきたが、今年は同級生の西村とタッグを組んだ。旧知の仲だけに、ラウンド中も並んで会話を交わし、時には談笑する場面も多く見られた。
グリーン上ではラインを読み合うなど積極的にコミュニケーション。「気を遣わない日本語で話せたことも大きかった」と古江は振り返る。西村とのコンビネーションは、好結果を支えた大きな要因のだった。
西村は初日には「安心感が大きかった」と古江の存在の大きさを口にしていた。だが、11番でのベタピンショットや最終18番の果敢なティショットなど、2人でつかんだ結果だ。
それでも「(ショットが)良かったなんて言ったらすごく失礼というか、迷惑をかけちゃったので」と西村は謙遜。そこにすかさず古江が「良かったよね」とフォローを入れる。最後まで息はバッチ。「感覚は良くなってきている」と手応えをつかめたことは、西村にとって大きな収穫でもある。
次週からは再び個人戦に戻る。「勉強になりましたし、ほれぼれするプレーを見せてもらった」。西村は、同級生であり、メジャー覇者でもある古江から受けた刺激を、今後の戦いにつなげていく。
普段は決して見ることができない古江のガッツポーズに、復調の手応えをつかんだ西村。ペア戦で得たものを胸に、再びそれぞれの戦いへ戻る。(文・齊藤啓介)

