突如、降って湧いたサウジアラビアの政府系ファウンド「PIF」が、LIVゴルフの資金援助を打ち切る可能性があるというニュース。PGAツアー選手、キャディ、マネジメントら多くの関係者が真偽を確かめようと落ち着かない。
今週、行われている米男子ツアーのシグネチャーイベント「RBCヘリテージ」の会場も、のそ話題で持ちきりの様子だ。米ゴルフウィーク誌が伝えている。
あるLIVゴルフ選手のマネジャーは「PIFがLIVゴルフから引きあげるような兆候はまったく見当たらない」と話す。実際にLIVゴルフのスコット・オニールCEOが、先週の「マスターズ」でもオーガスタ・ナショナルGCのクラブハウスで関係者と談笑する姿が見られた。
元PGAツアー政策委員会メンバーのジョーダン・スピース(米国)は、ヘリテージの会場で「PGAツアーは、2〜3年前からLIVゴルフが長期に渡って存続する場合と、消滅する場合と2通りのシナリオを考えていた」と話す。そのため今回のPIF撤退の噂も「まったくの想定外という訳ではない」と驚きではないという姿勢を見せた。スピースによると政策委員会は多くの案を検討してきたという。
ブルックス・ケプカ(米国)は罰金を支払いPGAツアーへ復帰。しかしシグネチャーイベントの出場権は自身で獲得しなければならない。またパトリック・リード(米国)もLIVゴルフから脱退。1年の出場停止期間を経てDPワールドツアーからPGAツアーへの復帰を目指している。
スピースは「PGAツアーへの復帰条件は選手によって異なるべき」とし、「PGAツアーメンバーに一度もなっていない選手もいるし、自分からメンバー資格を返上した選手もいる。一方でPGAツアーを提訴した選手もいる。そのことを忘れてはいけない」とも話した。
LIVゴルフが開幕した2022年に、フィル・ミケルソン、ブライソン・デシャンボー(ともに米国)らLIVに参戦した11名の選手がPGAツアーを「独禁法違反」で提訴(のちに取り下げ)した経緯がある。スピースは「僕は意地悪ではないが、当時PGAツアーは非営利団体だったから、つまりは選手とチャリティ団体を訴えたということだ」と怒りは消えていない。
ジョン・ラーム(スペイン)、キャメロン・スミス(オーストラリア)、そしてデシャンボーのマネジメントが「PGAツアーと交渉を始めているのではないか?」とキャディ間で憶測も飛び交っている。
PGAツアーは今年1月、「復帰メンバー・プログラム」を発表。2022年〜25年の間にメジャー、もしくは「プレーヤーズ選手権」に勝利している選手はPGAツアーのメンバー再申請が可能という方針を示した。締め切りは2月2日までだったが、この条件に合うラーム、デシャンボー、スミスの3人はオファーを受け入れず、今季もLIVゴルフへの参戦を選択している。(文・武川玲子=米国在住)
