吉田鈴がオーガスタで流した涙【写真】
“吉田優利の妹”という形容詞のみならず、“ひとりのゴルファー”として吉田鈴(りん)が大きな注目を浴びたのが、今年4月だった。マスターズが行われるオーガスタ・ナショナルGCで決勝を戦う「オーガスタナショナル女子アマ」で、出場した日本勢4人のうち唯一予選を通過。聖地の芝を踏み、20位という結果を残した。
「一生の思い出に残る試合でした」。こう振り返りながらも、最終日には悔しさのあまり大粒の涙を流した大舞台だったが、それを終えると成長が一気に加速した。帰国直後に出場した国内女子ツアー「KKT杯バンテリンレディス」や、6月の「宮里藍サントリーレディス」などでローアマに。プロの試合でも存在感を発揮するようになる。
プロテストは今回が2度目の挑戦。千葉・麗澤高3年時に初受験した昨年は、最終までコマを進めたものの、あと1打及ばず合格を逃した。1次予選が免除され2次からの参加になった今年も、茨城県の静ヒルズCCで行われたA地区を順調に4位で通過。11月の大洗への切符をつかんだ。
現在は日本ウェルネススポーツ大に在学中。そのかたわら“浪人生”として、プロゴルファーを目指す。背中にバッグを担ぎ、自転車をこいで自宅近くの練習場やコースでクラブを振り続ける日々。国内男子ツアー通算7勝の今野康晴にも師事し、腕を磨いてきた。アマチュア競技で、2018年に「日本女子アマ」、「日本ジュニア」の2冠を手にした姉のような輝かしい記録はない。しかし、その姉ですら踏めなかったオーガスタでのプレーや、なによりも昨年11月に涙をのんだ悔しさなど経験では負けてはいない。
愛くるしい笑顔。しかしうちに秘める闘志は熱い。将来は海外で戦うことが目標だ。オーガスタナショナル女子アマ出場前には、「出るからにはトップを狙わないといけないと思う」と“優勝”を目指し練習に取り組むなど、常に高みを意識しながらゴルフに向き合っている。
3月時点で34位だった世界アマチュアランクは、現在、8月の「全米女子アマ」を制した4位の馬場咲希に次ぐ日本勢2番手の5位にまで浮上している。オーガスタでは「プロテストに向けても、これがいい経験になると思います」とも話していたが、まさに伸び盛りの1年になった。悲願成就という形で、激動の2022年を締めくくりたい。
