<LPGA Qシリーズ(最終予選) 4日目◇8日◇マグノリア・グローブGC(米アラバマ州)◇クロッシングズC=6664ヤード・パー72、フォールズC=6643ヤード・パー71>
双子での同時米進出がいよいよ見えてきた。ともにクロッシングズコースを回った4日目は、岩井明愛が10バーディ・1ボギーの「63」でトータル14アンダー・7位タイ。岩井千怜が10バーディ・ボギーなしの「62」でトータル20アンダー・首位に浮上した。
千怜は最終組のひとつ前からティオフ。実測160ヤードの2番パー3でピンそば1メートルにつけてバーディを先行させると、花道から寄せた4番パー5、3メートルにつけた5番と連続で伸ばすなど、前半を4アンダーとした。後半はさらにギアを上げ、11番からは2オンバーディを含む3連続。16番からも3連続で奪い、最終18番では2メートルを沈めて笑顔でホールアウトした。
「自分でもビックリ。いままでのゴルフ人生でベストでした」と、「62」は千怜にとって自己ベストスコア。それを米国女子ツアーの来季出場権をかけた大一番で記録した。「バーディチャンスをできるだけ自分のものにしようという気持ちで、目の前の一打に集中できた。気持ちの強さだと思います、本当に」。米国ツアーへの想いをボールに乗せて、颯爽と18ホールを駆け抜けた。
双子の姉・明愛も序盤から猛攻をしかけた。同じく2番でカラーからのバーディパットを流し込み3連続。さらに2つ伸ばして折り返した直後の10番ではアプローチを寄せきれずにボギーとしたが、すぐに11番から3連続バーディを奪い、16番、1メートルにつけた最終18番でもバーディを重ねた。
開口一番、「スッキリしました」とニッコリ。フォールズコースを回った2日目と3日目は耐えるゴルフが続き、なんとかアンダースコアにまとめる展開だった。「パターが入ってくれてすごく助かりました」と、決定力の高さで多くのチャンスをものにした。
25位タイまでに米女子ツアーの出場権が与えられるが、現在のボーダーラインはトータル4アンダー。それに明愛は10打、千怜は16打のリードをつけてラスト18ホールに挑む。それでも、「あしたどうなるか分からないので、最後まで油断できない」(明愛)、「全然、気は抜けない」(千怜)とともに気を引き締める。さらにスコアを伸ばしていくことだけを目指していく。
双子そろって“安全圏”で最終日を迎えられる状況に、「『2人で通りたい』という思いが一番強い。2人で(米国に)行きたい。あしたはいい上がりができるように、お互い頑張りたい」(千怜)。日本ツアー最強のツインズが世界に羽ばたく日は、もうすぐだ。(文・笠井あかり)