「パッティンググリーンでもボールとパターの音が一番いい。“音が生きている”といいましょうか。撫でて打っているプロは、芯と芯が当たってもフェース面がズルっと滑って音が逃げます。一方彼女は“コツン!”という激芯を食った音を出している」
パット巧者はイ・ボミのようにストロークの延長でスッと押し出すタイプは多いが、鈴木は当てるや打つではなく“打ち抜く”を普段から意識。芯を貫く球で、誰よりも薄めにラインを読んでカップの幅+数センチで勝負する姿勢は、今大会の“我慢比べの最後の砦・重グリーン”では大きな強みとなった。
鈴木は現在平均パット1位だが、“激芯パットスタイル”を突き詰めていくことで徐々に“決められる距離=パットの射程圏内”が広くなり、さらなる進化が期待できると辻村氏。「パット巧者といえる選手の射程圏内が4mとすると、彼女は7mを想定していると思います。7mを外して“本気で”悔しがっている選手はそうはいないですから」
鈴木は練習量全体の6〜7割をパットに費やすといっても過言ではないが、おもな練習は両ワキにスティックを挟んでショルダーストロークで打つ意識を高めるもの。この練習が“フェースに乗る時間=球持ちの長さ”を生んでいる。
「スティックを挟んで打つメリットは、左ワキがつねに締まったままストロークできることです。アマチュアのみならずプロでも起こりえることですが、左ワキが空いて左ヒジが目標方向へ流れてしまうとパターヘッドは外に動いて出球は右へ。左ワキが締まっていれば左ヒジが後ろに引けて、フェースは真っすぐ動きます。彼女はインサイドに振っていくので、ややダウンブローに入っている証拠。だから人よりもフェースに乗る時間=球持ちが長いのです」