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好不調の波を乗り越えて… 河本結に見たシーズンを戦い抜くための試行錯誤【現場記者の“こぼれ話”】

好不調の波を乗り越えて… 河本結に見たシーズンを戦い抜くための試行錯誤【現場記者の“こぼれ話”】

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2020年5月31日 14時00分

私たちは会場で選手に話を聞きたいと思った時、極力負担をかけないよう、練習を終えた後に取材をすることがほとんど。練習グリーン脇で日がとっぷりと暮れるまで待っていることも、珍しいことではありません。例えば、練習の虫として知られる鈴木愛プロを待とうと思ったら、それなりの覚悟(『さて、きょうの原稿は何時に終わるのかな?』など)を決めます。そして、河本プロもその覚悟が必要となる一人といえます。

しかし、秋口に差し掛かるにつれ、どうもこの“待ち時間”が少し短くなっていく気がしていました。もちろん、日が暮れるのが早まる季節でもあるのですが、パッティング練習そのものの時間が以前よりも短くなっていることを感じたのです。気になって聞いてみると、「あまり長くやりすぎると、疲れもたまってしまうので」という理由で、練習方法を変更したことを明かした河本プロ。ある程度ルーティンを決め、それをクリアしたら切り上げるというスタイルに変えた、ということでした。

そこからさらに時は進み、今年1月の米フロリダ州。河本プロが米ツアー本格参戦のデビュー戦となる「ゲインブリッジLPGAアット・ボカ・リオ」を会場で取材する機会に恵まれたのですが、この時のラウンド後のパター練習は、さらに“ルーティン化”が進んでいるように見えました。カップの周りにティをさし、そこから連続で決める練習を数種類行い、それをクリアすれば、まだ陽が残っていてもグリーンを離れます。『かなり、カチッとしたルーティンになりましたね?』と聞くと、「やっと、これでいけると思えるもの(ルーティン)が見つかったんです」という言葉が、清々しい笑顔とともに返ってきました。

ツアー1年目の選手に話を聞くと、ほとんどの選手が、まずはこの生活に慣れたいということを口にします。河本プロも、昨年の良かった時期、そして苦しい時期の経験を、過ごし方をアップデートさせるための材料にしているようです。無事試合が始まったら、今のルーティンについてさらに深掘りして効果などを聞いてみようかなと思っています。でも、それはフロリダで見たものと大きく変わっているかもしれないし、また今年が終わる頃には全く別のメニューになっている可能性もあるかもしれません。

今年は米国での1年目。きっとここからも、その環境に合わせるため、もちろん練習以外の面でも様々なスタイルを模索していくのだと思います。すべては変わらない信念を貫くため。その繰り返しのなかで、いいシーズンを送れることを、改めて期待したいと思います。(文・間宮輝憲)

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