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【田中秀道の目】米ツアーでは上位に入るのと勝つのは別次元

【田中秀道の目】米ツアーでは上位に入るのと勝つのは別次元

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2013年10月28日 12時52分

 石川の場合、私と同様に体格の差が気になると思います。周囲を見ているうちに「もっと強く振りたい」「もっと早く振りたい」となってしまう。レベルの高さ、コースの難しさ、長さに「もっとクオリティを上げたい」と思ってしまう。それが空回りして、負の連鎖になる。

 ただシード権を落として、入れ替え戦に回ったことで開き直っていい結果を出して戻ってきた。米ツアーに行って早いうちにそうした経験が出来たことはよかったと思います。いままで右肩上がりでどんどんやろうとしている石川のブレーキ役がいなかった。結果が出ず、それを乗り越えたので、一皮向けたと思います。

 しかし、この2人が今季、優勝できるかというと、ちょっと考えてしまいます。開幕直後の今は上位陣が出場していないというフィールドの違いがあります。ただ、そういうところで優勝争いをしていくことが、優勝につながってくるのは確かです。丸山(茂樹)さんも準備期間がありました。2位になった、3位になったで、次は優勝というのは成り立たない世界です。上位に入るのと勝つのは別次元の問題。優勝争いの回数を増やすことがまず第一です。

 松山は馬力があるけど、日本でのように突出している訳ではありません。石川には前述したようにパワーでハンディがあることは確かです。考え方としては、大きなゴルフでパワー勝負を挑むのではなく、勝負の場所を変えることです。たとえば、フェアウェイキープ率を5%上げるとか、パットの数字を上げるとか、ラフの打ち方を徹底的に習得するとか。アプローチ、パターでリズムをつくるのは当然ですが、米ツアーでアプローチが下手な選手はまずいません。自分のどこを伸ばすかを間違えなければ、優勝する日が来るはずです。

田中秀道
91年にプロ入り。95年フィリップモリス選手権でツアー初優勝。166センチ、68キロの小柄な体ながら、体をフルに使ったスイングで300ヤードを飛ばし人気を得た。2001年に米ツアー最終予選を突破して02年から5年間、米ツアーに挑戦した。04年BCオープン、05年クライスラー選手権で3位が最高。現在は日本ツアー復帰を目指す一方、テレビ解説なども行っている。

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