出産後、ツアーに復帰した横峯さくらさん、QT1位で臨んでいる下川めぐみさんの30歳代後半にさしかかった二人も、上位に入ろうとプレーを続けています。
ゴルフは、体力、技術、気持ちが続く限り、戦えるスポーツです。それでも、怖いもの知らずのプレーをする勢いのある若手をたくさん相手にして、自分の気持ちを強く持ち続けるのはなかなか難しいことです。今回、名前を挙げたみなさんは、それができているのだと思います。いつも気持ちを張り詰めているわけにはいきません。オンとオフの切り替えがうまいのだと思います。
約9カ月間のシーズン中、コースは毎週、変わりますが、出場しているのは多少の入れ替わりはあるものの、同じような顔ぶれです。スポンサーさんは毎週変わりますし、運営スタッフさんなどは試合によって違いますが、ツアーキャディやファミリーなどもほぼ同じメンバー。これが、全国を回っていることをイメージしてみてください。
新人から中堅になり、ベテランと呼ばれるようになる。この過程が、私が現役だった頃に比べるとものすごく早くなったのが、今のツアーです。選手として試合に出ているのは何年たっても変わらないのですが、気がつけば後輩ばかりが増えて先輩は少なくなり、同世代もどんどん減っていくのです。アスリートとして自分を最優先に考えるのは当然のことです。でも、そうしたいのに経験が豊富で顔が広くなるにつれて、余計なことを考えてしまうようになるのです。
「年上だからしっかりしてなきゃいけない」とか「後輩に何かを伝えなくちゃいけない」とか…。もちろん、年を重ねるごとにそういう役割は自然にできてきます。でも、それを使命だと思わず、後輩に背中を見せる、くらいの気持ちでいればいいのではないでしょうか。それもプレッシャーかもしれませんが…。人間は誰でも、様々なものを背負って生きていると思うのです。それは仕方ないのですが、プレーヤーとして“ワガママ”な部分は、試合に出ている限り必要なのかもしれません。