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世界で戦える選手になって欲しい コースセッティングに込めた思い【ツアーの深層】

世界で戦える選手になって欲しい コースセッティングに込めた思い【ツアーの深層】

所属 ALBA Net編集部
秋田 義和 / Yoshikazu Akita

配信日時:2018年8月28日 12時24分

「最終日のピンポジションは私のお気に入りの位置なんです。実は奥に割とスペースがあるのですが(奥行27.0)、2打目地点だと、かなり端に切っているように見えるんです。しかも右からのフォローが吹く中での左ピン。突っ込むべきか朝一から試される。“行くぞ”となりすぎれば突っ込みすぎてボギーとなるケースも。繊細な距離感が求められるようにしました」。最終日の難易度は7番目(平均スコアは4.114)と並みだが、首位タイから出たウォンジョン・リー(オーストラリア)、2打差の4位から出た武藤俊憲、そして4打差逆転を目指した昨年覇者・池田勇太がスタートホールで出鼻をくじかれた。このあたりも世界に通用するためのショット力が求められる部分であった。

■スケールの大きい出水田大二郎 ゆくゆくはDJ、ケプカのように
そんな思いの詰まったセッティングを攻略したのが出水田だ。田島は出水田を「パワーもあって元々定評のある選手でした」と評する。「彼のウィークポイントはインパクトからフォローにかけて緩むことでした。ですが、その後、香妻陣一朗選手らとウェートレーニングではなく自重を使うトレーニング、TRXの使用、山での走り込みなどといった野性的なトレーニングをしていて、良くなっているなという印象を受けていました。その結果が今回の優勝だったと思います」。

25歳の新鋭にかける期待も大きい。だからこそこんな希望も。「大きい体を生かした飛距離で戦うパワーヒッター。人ができないことをできる選手だと思っています。さらに強くなるために、今度はキーポイントとして150ヤード、100ヤード以内の精度をもっと高めてもらいたい。飛んでショートゲームもうまいダスティン・ジョンソンブルックス・ケプカのように。そうすればもっともっと上で戦える」。例に挙げた選手からも感じる伸びしろは、とても大きい。

■若手の切磋琢磨や下部ツアーからの徹底…、いい部分が見えた最終日
優勝を決めた後、抱きしめに行った高校の先輩・秋吉翔太をはじめ、時松隆光稲森佑貴嘉数光倫らがウォーターシャワーを行うなど、出水田は同じツアーメンバーから祝福を受けた。このシーンを見ていて田島は感じるものがあった。

「いい意味で時代は変わったんだな、そう思いました。こういったことは今までになかったですから。20代の選手が一丸となってツアーを戦っているんだなと感じました。この日のラウンドではお互いが優勝を目指していましたが、精一杯戦った後、優勝したメンバーを祝福する。切磋琢磨していて、いい雰囲気でやれていますね」

また、多くの若手が活躍を見せた今大会ではこんなシーンも。「普段下部ツアーで戦っている選手が多く出ていましたが、木下裕太が18番で激しいガッツポーズをしたり、嘉数がバーディフィニッシュに最高の笑顔を見せたりとパフォーマンスを自然とできていました。今年から下部ツアーは全試合が中継されています。だからこそ“カメラがあるところではパフォーマンスをしてくれ”と口酸っぱくいってきました。そういったことが今回ちゃんとできていたことがうれしかったですね。下部ツアーからのつながりをちゃんと出せていました」。若手の勢いはまだまだ続きそうだ。

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