<ニチレイレディス 最終日◇21日◇袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コース(千葉県)◇6590ヤード・パー72>
イ・ミニョン(韓国)が三つ巴のプレーオフを制して、2024年「マスターズGCレディース」以来2年ぶりの通算8勝目を挙げた。「63」をたたき出して7打差をひっくり返すと、プレーオフは7ホール、2時間6分に及ぶ大激闘だった。
24位から出た最終日、自己ベストをマークしてリーダーボードを駆け上がった。この2日間はなかなか決まらなかったパットが、この日は短いのも長いのも面白いように次々と入ってくれた。クラブハウスリーダーとして最終組までの約2時間を待機。そしてプレーオフへと突入した。
「自分自身、プレーオフに弱いと分かっているので、期待せずに準備をしました。手はフラフラするし、心臓が出そうでした」。日本ツアーではこれまで3度のプレーオフ経験があるが、いずれも負け。悪いイメージがあるのは明らかだった。
それでも相手の大出瑞月、吉﨑マーナは小柄で飛距離の出ない選手。ミニョンにとって2オン可能な18番パー5(506ヤード)が舞台となれば、自分が有利であることは「確かに考えました」。1ホール目でバーディを奪えなかった吉﨑が脱落。そして、大出との一騎打ちが長く続くことになる。
2オンをしていくミニョンに対し、大出は常に3打目勝負。どんな状況からでもピンにつけ、パットを決めていく。バーディの取り合いになった。「強いなあと思いました。耐えて、耐えて、耐える人が勝つと思って、最後まで耐えました。途中で9ホールまでいくかもと思いました(笑)。やっと終わった!」
7ホール目。最後は残り201ヤードから5番ウッドのコントロールショットで4メートルに2オンしたミニョンが、2パットで決めて制した。長い戦いに終止符を打った。
24位からの逆転優勝はツアー史上最大。プレーオフの2時間6分は史上最長、7ホールは最多ホール数に並び、まさに記録ずくめの勝利になった。
「初めて聞きました。“すごい”しか言うことがないです。すみません、時間を長く使って…(笑)。(スタート時は)早く家に帰ってのんびりしようか、と考えていました。でも、バーディがたくさん出て、“なに? ワンチャンあるかな?”と。プレゼントみたいな優勝です。2年ぶりだけど、2年に思わないくらい短く感じています」
日本ツアーにきて9年目となった。「コンディションがすばらしくて、自分のゴルフも実力もレベルアップしている。周りの選手が強いし、モチベーションが高くなる。“あの人よりもうまくなりたい”と思うので、いいツアーだと思います」。またひとつ、忘れられない一勝を手にした。(文・笠井あかり)
■逆転優勝(順位) ※記録更新
24位タイ
2026年「ニチレイレディス」イ・ミニョン
20位タイ
1997年「イエローハット東京レディース」前田真希
2006年「中京テレビ・ブリヂストンレディス」李知姫
2019年「デサントレディース東海クラシック」渋野日向子
■プレーオフ最多ホール数
7ホール
2002年「ヴァーナルレディース」久保樹乃、木村敏美、山崎礼奈
2006年「スタンレーレディス」古閑美保、大山志保
2026年「ニチレイレディス」イ・ミニョン、大出瑞月、吉﨑マーナ
■最長プレーオフ ※記録更新
2時間6分 2026年「ニチレイレディス」イ・ミニョン、大出瑞月、吉﨑マーナ
2時間0分 2022年「KKT杯バンテリンレディス」植竹希望、吉田優利、小倉彩愛、西村優菜
