PGAツアー
米国男子 ほぼ全試合リアルタイム速報配信!
【舩越園子コラム】“嵐”に勝ったジミー・ウォーカー
【舩越園子コラム】“嵐”に勝ったジミー・ウォーカー
配信日時: 2014年2月10日 02時20分
8メートルのバーディパットはカップを1メートルほどオーバーした。そして、ウォーカーの本当のメンタルタフネスが試されたのが、次なるパーパット。これでもかというぐらい悪いことばかりが続いていた後半の展開と流れの中で、このパーパットは「まず入らない」と予想したくなる状況だった。が、彼はこれを沈め、力強いガッツポーズと笑顔で今季早くも3勝目を手に入れた。
「まるでドラマだった。厳しかった。苦しかった。最後のパットを決められて、良かった」。3日目は嵐の中で67。前日より風が格段に静まった最終日は、しかし優勝争いという嵐の中で74。この数字の違いだけを見ても、どちらの嵐のほうが手ごわいかが、わかる。
ゴルフはコースとの戦い、自然との戦いだ。けれど、最後の最後は自分自身との戦いだ。緊張、プレッシャー、他選手の動き。「優勝」を間近に意識する最終日の終盤だからこそ、心を揺さぶる激しい風、激しい嵐に襲われる。その風、その嵐に、どこまで耐えられるか。どうやってかわすか、どうやって跳ね除けるか。その風に吹かれ、その嵐に翻弄される経験を幾度も重ねることで、選手たちは強くなり、優勝に近づいていく。
だが、近づけば、再び遠のく。その繰り返しの果てに、遠のきそうな優勝を逃さず手に入れることができるようになる。
ウォーカーはプロ転向から14年の歳月を、そうやって過ごしてきた。そして14年目の今季、フライズコム・オープン、ソニー・オープンに続く3勝目を挙げて、誰よりも“嵐”に強い男っぷりを彼は世界に見せつけた。
文 舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)
「まるでドラマだった。厳しかった。苦しかった。最後のパットを決められて、良かった」。3日目は嵐の中で67。前日より風が格段に静まった最終日は、しかし優勝争いという嵐の中で74。この数字の違いだけを見ても、どちらの嵐のほうが手ごわいかが、わかる。
ゴルフはコースとの戦い、自然との戦いだ。けれど、最後の最後は自分自身との戦いだ。緊張、プレッシャー、他選手の動き。「優勝」を間近に意識する最終日の終盤だからこそ、心を揺さぶる激しい風、激しい嵐に襲われる。その風、その嵐に、どこまで耐えられるか。どうやってかわすか、どうやって跳ね除けるか。その風に吹かれ、その嵐に翻弄される経験を幾度も重ねることで、選手たちは強くなり、優勝に近づいていく。
だが、近づけば、再び遠のく。その繰り返しの果てに、遠のきそうな優勝を逃さず手に入れることができるようになる。
ウォーカーはプロ転向から14年の歳月を、そうやって過ごしてきた。そして14年目の今季、フライズコム・オープン、ソニー・オープンに続く3勝目を挙げて、誰よりも“嵐”に強い男っぷりを彼は世界に見せつけた。
文 舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)