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【舩越園子コラム】石川、松山どちらも初優勝の可能性は十二分 最後は…

【舩越園子コラム】石川、松山どちらも初優勝の可能性は十二分 最後は…

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ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2013年10月21日 14時19分

 心技体の「技」に関しては2人とも十分OKという状態だ。それならば「心」はどうか?「体」はどうか?

 米ツアー本格参戦1年目だった昨季の石川は、前述のように勝つに足る技量を備えていた。それなのに、なぜシード落ちの危機に瀕するほど成績が低迷したのか。その答えが「心」と「体」だった。昨季序盤。初優勝に向かって心は逸った。だが、腰痛は悪化の一途で練習は思うようにできず、練習不足のまま試合に出ても予選落ちが続くばかり。それでも石川は「試合を休むことが怖かった」そうだ。「初優勝目指して、この米ツアーに勇んで来たけど……」と肩を落とした姿が今でも忘れられない。

 だが、夏場を過ぎ、おそらくは下部ツアーのファイナル4戦に挑むことになると認識し始めたころから、石川の心に落ち着きが芽生えた。「自分のレベル、自分の立ち位置がわかった」。そしてファイナルのラスト3戦でトップ10入りできたことで「自信が得られた。苦しい時期があったけど、メンタル的にはリカバリーできている。体の状態もすごくいい」。そう、今の石川は、元々持っていた「技」に「心」と「体」も加わり、3つがほぼ整ったと言える。

 それでは松山の「心」と「体」はどうなのか?開幕戦で3位になりながら、2戦目で疲労による胃炎を悪化させ、スタート前に棄権を決意。そこまで疲労がかさんだ理由は、限られた時間の中で米ツアー出場権を獲得するために奮闘し続けた昨季の連戦。そして、帰国して日本で優勝し、再渡米して不慣れなチーム戦のプレジデンツカップを戦い、悪天候による不規則進行や連日のチーム行事への対応、そしてすぐさま移動し、開幕戦で優勝争い、そして大陸横断に近い長距離移動……過密スケジュールと極度の緊張続き、不慣れなモノゴトへの必死の対応が原因であったことは明らかだ。

 「慣れ」は、もしかしたら心技体を上回るぐらい大きなモノを言うかもしれない。石川も昨季の成績低迷を振り返りながら「慣れなんてって思っていたけど、スポット参戦と腰をすえて米ツアーに居続けることは全然違った」と、しみじみ。この面においては、松山は必然的に石川より1シーズン遅れ。松山の最大の課題はこの不慣れへの対応になりそうで、うまく対応できるかどうか、克服できるかどうか次第で彼の「心」と「体」の状態は変わってくるだろう。

 とはいえ、石川が1シーズン目に「試合を休むのが怖かった」から無理をして出続けたのに対し、松山はわずか2試合目で休む決意をした。そりゃもちろん、棄権せざるを得ないところまで胃炎が悪化していたのだけれど、この棄権の一件に限らず、随所で見せる松山の持ち前の思い切りの良さは、きっと彼がこれからの米ツアーで不慣れなモノゴトに対処していくとき、大いに武器になる。

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