「飛んで止まる」という二律背反の性能を備えつつある最新ゴルフボール。自分に合ったボールを選ぶことはスコアアップにおいて重要だ。ロボットとプロが試打をして31モデルの実力を診断。
今回は、飛ぶことと止まることの両方が求められるアイアンでの性能をロボットテストにて評価した。
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藤倉コンポジットの協力を得てアイアンショットのロボットテストを実施。福島県南相馬市にある同社の小高工場内のテストセンターで、昨年最も売れたダンロップ『スリクソン ZXi5』の7番アイアン(ロフト31度)をヘッドスピード35m/s(ドライバーHS43m/s相当)で試打したボールをトラックマンで計測し、エラーを除いた3球の平均値を取った。
ウレタンカバーのいわゆる“スピン系”のボールの中で飛距離が最も出たのはダンロップ『ロイヤルマックスフライ赤』で「149.0ヤード(スピン量5385.7rpm)」で、スピン量が最も入ったのはキャロウェイ『クロムツアーX』で「6780.0rpm(飛距離142.3ヤード)」だった。
一方で、アイオノマーカバーでできた“ディスタンス系”で最も飛距離が出たのはダンロップ『ゼクシオハイパーRD』で「149.0ヤード(スピン量5306.0rpm)」で、スピン量はプロギア『PRGRプレミアム』で「6922.0rpm(141.7ヤード)」という結果となった。
今回計測したスピン系の平均値は飛距離「145.9ヤード」、スピン量「6034.1rpm」、ディスタンス系の平均値は飛距離「144.4ヤード」、スピン量「6401.8rpm」。今回計測したヘッドスピードだと、スピン系の方が飛距離が出て、ディスタンス系の方がスピンが入るという興味深い結果となった。
しかし、この結果について試打をした海老原秀聡は注意が必要だと話す。
「今回のロボット計測ではヘッドスピードが速めなせい(ドライバーHS43m/s相当)もあって、いずれもグリーンに球を止めるには十分なバックスピン量が出ています。ただし、ヘッドスピードが低めの場合、スピン系と比べるとディスタンス系の方がスピン量が大きく低下する可能性があります。その点は注意する必要がありそうです」
それぞれの数値を見ると、スピンの入るボールは飛距離が出にくく、飛距離が出るボールはスピン量が少なめという相関関係は見て取れる。自分がアイアンショットに何を求めるかを決めてボールを選ぶことが重要と言えそうだ。
なお、ルール非適合の“非公認”ボールで計測したところ、平均飛距離「144.0ヤード」スピン量「6935.5rpm」と、このヘッドスピード帯だとスピンが入り過ぎて、最も飛ばないという結果だった。
【試打検証したボール31モデル】※順不同
ブリヂストン:『ツアーB X』『ツアーB XS』『ツアーB JGR』『プリセプトPR1』
ダンロップ:『スリクソン Zスター』『スリクソン ZスターXV』『スリクソン Zスター◆』『ロイヤルマックスフライ赤』『ロイヤルマックスフライ黒』『スリクソン XmaX』『ゼクシオハイパーRD』
キャロウェイ:『クロムソフト』『クロムツアー』『クロムツアーX』
テーラーメイド:『TP5』『TP5x』
ミズノ:『Mizuno Pro S』『Mizuno Pro X』
本間ゴルフ:『TW-S』『TW-X』『D-1』
プロギア:『RSスピン』『PRGR プレミアム』『ソフトディスタンス』『スーパーegg』
キャスコ:『キャスコロイヤル3』『キラMAX』『キラダイヤモンド』『ゼウスインパクト』
ゴルフパートナー:『ネクスジェン ツアースペック』『ネクスジェン Dスペック』
解説・試打:海老原秀聡
えびはら・ひであき/1990年生まれ。2012年にプロ入り。試打経験豊富で、繊細な感覚を言語化できる。「GOLF&FITNESS POINT 芝浦」でレッスン活動を行っている。
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