「賞金女王として恥ずかしいプレーを見せるわけにはいかない」と、開幕戦から公言。「調子がいいわけではなかったんですけど」といいながら、しっかりと序盤戦で優勝する。周囲から見られることに慣れ、ツアーの“顔”の一人としての自覚が芽生えたことが大きいのではないか。
練習量の抱負さは以前からツアートップクラスを誇り、実力も十分。だが、それをいいパフォーマンスにつなげるためには、他の部分もうまくコントロールする必要がある。プレー中、うまくいかないときの気持ちの持ちようはもちろんのこと、プレー以外の部分でも、気持ちをフラットに保ったり、逆にテンションを上げたりと、自分自身を上手にマネジメントできないと結果を出すのは難しい。今の鈴木は、それがうまくかみ合っているように見える。
2年連続のタイトル獲得はもちろん、その先も鈴木が大きく成長していくために、「ANAインスピレーション」は大きな試金石となる。世界の実力者が集まるメジャーの舞台であると同時に、日本にいるときとは周囲の環境も違い、期待も一身に背負う中、どれだけ自分のプレーをすることができるのか。結果以上に大切なのは、そこで何ができて、何ができなかったのかを後できちんと自己分析できるかどうかだ。
日本で結果が出たのにメジャーではボロボロになり、涙を流した日本人選手は何人もいる。それをどれだけ糧にできるかで、そこから先は大きく違ってくる。きちんと将来につなげた者がいれば、特に変わらなかった者もいる。また、そこでプレーしたことが、自分を見失うきっかけになった者もいる。
大きく羽ばたく可能性を秘めた鈴木愛。どこまでの高さまで羽ばたけるのかは、ANAインスピレーションでの収穫にかかっているといっても過言ではない。(小川淳子)