――ツアーで未発表プロトタイプの段階からプロが続々投入して活躍が話題のオデッセイ『TRTL(タートル)』。ROSSIEや2-BALL、#7、JAILBIRDに続く“第5のアイコンマレット”として8月7日発売を迎える注目作だが、カメをモチーフにした独特の六角形ボディと圧倒的な高MOIの秘密を確かめるべく、キャロウェイのフィッティングができる店鋪へ急行した――
【編集N】 幅広ブレード育ちで9年前のクランクネックブレードがエース
【オスギ】 L字マレット育ちで、17年前のクランクネックブレードがエース
【Kスケ】 L字やツノ型育ちで、2年前のショートスラントマレットがエース
編集N:今日ここに突撃した理由はひとつ。プロたちが未発表プロトタイプ時から使いまくってきた、『TRTL』の実力を試すこと。ソールを見ると完全に“カメの甲羅”なんだけど、上から構えた時の実際の顔の印象はみんなどうなの?
顔つきは小ぶりで、ブレードユーザーも違和感なし
Kスケ:ボクは、意外に構えやすいです。大きすぎる感じがなく、ややコンパクトでスマートなサイズ感ですよね。スパイダーよりも若干小さいんじゃないかなぁ~。 コレくらいだと集中しやすいですよね。意外にけっこうフェースの高さがありますね。
オスギ:いまブレードなので、もちろん自分で選ぶタイプの見た目ではないですけど、白いラインが分かりやすくて新鮮ですね。置いたときの座りが良いというか。そこまで違和感はないです。
キャロウェイ担当者:ありがとうございます、トップブレードもあえて完全なフラットではなく、わずかにトウ・ヒール側へ丸みを持たせることで、傾斜やライ角が変わっても見え方のズレを抑え、常に安定して構えられる工夫を施しています。
オスギ:でも、ややコンパクトなサイズなのに「モンスター級のMOI」って本当ですか?(可愛いカメなのに、モンスターって…)
キャロウェイ担当者:本当です。ボディ中央の六角形とソールプレートに軽量素材を使って外周のステンレスボディと四隅の4ウェイトに重量を極限まで配分しています。見た目はコンパクトなのに、モンスター級のMOIで、上下・左右だけでなく斜めのブレにも強いのが特徴なんですよ。
まさにカメ! 「ゆったりストローク」できるのに「夏の重いグリーンでも届く」初速感
編集N:へぇ~! それは早く打ってみたい。今回のフェース面には、樹脂とアルミニウムを組み合わせた新開発の『Ai-STAR・インサート』(表面ウレタン×裏面アルミ)が入ったんですよね。じゃあ、まずはオスギから打ってみてよ。
オスギ:……(コッ!……スーッと伸びてカップイン)。えっ、なにこの転がり……。今、ちょっとパンチが入っちゃうのを恐れてゆったり目にストロークして少しダフったのに、伸びて届きました!
キャロウェイ担当者:そこが『TRTL』の最大の魅力なんですよ。モンスター級の高MOIだから、カメのように「ゆったり」ストロークできます。さらに新開発の『Ai-STAR・インサート』がインパクト効率を高めて、しっかりボール初速も出てくれます。
編集N:やっぱり、この転がりの良さは、打てば誰でも気づきますよね~。強く打たなくていいので本当にラクだもん。
Kスケ:これ、ゆったり振ってもしっかり音がするのが良いですよ! マジで、人気のマレット系より全然、出球のスピードが速いかもしれません……。
【試打①:オスギ】構えのズレがすべての元凶!「3度クローズ」を完治させたアライメントの魔力
編集N:じゃあ次は、各自のストロークの癖に合わせたネック選び(フィッティング)を試してみようか。まずは、自分が使うエースと近い形状で7球打って、その後、フィッターさんの見立てで『TRTL』も7球打ってみて、データの差を見てみましょう。
オスギ:ボクはL字マレット育ちで、今年クランクネックブレードに替えたので『#1』を試してみますね。でも、自分のパターじゃないから、やっぱり左に引っかけちゃうな……。 (ヤバッ、ルーティンを毎球やったのに、まさかの全外しとは……泣)
編集N:オ、オスギ、それはさすがに、こじらせ過ぎでしょ……。7球全部左に外すとか、ワザとやってると思われちゃうじゃん……。ちょっと~、勘弁してよ!
オスギ:………。(真面目にやってるのに……、耐えろ、オレ……)
フィッター:オスギさんはストローク中の「フェース開閉がかなり少ない」タイプですよね。開閉が少ない方がクランクネックのようなオフセットの強いモデルを使うと、手元の位置に対してフェースがつかまりすぎてしまって、そのまま被って左に外れやすくなりがちで、アドレスの時点で平均2.9度左を向いています。パターは1度ズレるだけでカップ1個分外れるので、約3度左を向いた状態ではいくらストロークを頑張っても入るはずがありません。
オスギ:自分では完全にターゲットセンターを狙っているつもりだったのに、アドレスで3度も左を向いていたなんて……。(絶対に、ボールの線の使用を編集Nから禁止されたのが理由でしょ……)
フィッター:はい。さらに振り抜きの方向も5.5度も左へ抜けています。構えた向きに引きずられて、アウトサイドイン気味に抜く癖が出てしまっています。ただ、面白いのはインパクト時のフェース調整能力が高く、再現性のスコアは非常に高いこと。つまり「毎回正確に同じ度合いで左に外し続けている」状態だったんです。
編集N:見事なまでの「左への」再現性だね……。せっかくストロークの再現性は高いのに、構え方のエラーで全てが台無しとは、もったいない……。
オスギ:………。(いやいや、ボールの線を使わせろってば!)
フィッター:では、ここで、ヨコに2本の太い視覚効果を持つ『TRTL S』を試してもらいます。先ほどのクランクネックよりはオフセットも少ないので、どうぞ!
オスギ:ポンと置いても開かないし、ヨコのアライメントでターゲットに集中できますね。開閉を意識しなくても、まっすぐ引いてまっすぐ出す自分のストロークのまま素直に打ち出せます。インパクトでフェースが被る感覚が綺麗に消えました!(ホッ、これならボールの線がなくても、向きは大丈夫ね……)
編集N:う~ん、コレは……。(何も仕込んでないのに、すごい改善度合いだな……)
フィッター:外に上がって左へ抜けていたテイクバックも素直なストレート軌道に変化しましたし、フェース開閉が元々かなり少ない、本来はマレット型がベストマッチな方なので『TRTL』のMOIの大きさも効いてきて、打点がブレてもしっかり閉じたりせず真っすぐ打ち出せていますね。
オスギ:こんなにヨコのアライメントって効くんですね……。普段ブレードで、ずっとタテ合わせできたから、すごく新鮮だし驚きました。カメのようにゆっくりの動きもショートネックだと操作性が適度にあって気にならないし、振った感じも違和感が無かったです。(これならボールの線も、全然要らないかも……)
【試打②:Kスケ】思い込みの「アーク型」を否定! インサイドアウト軌道と打点のねじれを完全補正
編集N:お次は、L字育ちで、ヒールに打点を外しがちなKスケだね!大型マレットのショートスラントネックも持ってるけど、長く使ったツノ型マレット『#7』のショートネックで『TRTL』と比較する感じでいこうか。
Kスケ:そうなんですよ、相変わらずヒール癖が直らなくて基本ショートが多いし、特に最近はショートパットで左にヒッカケることが多いんですよ。やっぱりL字育ちの癖が抜けなくて……。とりあえず、イントゥインの自分のイメージで、ツノ型から打ってみますね。
オスギ:(いきなり7球中、2球も入ってるじゃん!)ボクより全然いいよ、Kスケは……。
フィッター:Kスケさんは「自分はL字育ちだから開閉が大きいアーク型ストロークだし、真っすぐ引いて真っすぐ出せない」と仰っていましたが、データを見ると全く違いました。テイクバックは外(アウト)に上がり、インパクトにかけて1.8度インサイド・アウトに振り抜いています。
Kスケ:ええっ、外に上がる!? 自分の中ではイン・トゥ・インで、内側に引いているつもりでした!
フィッター:左への引っかけを無意識に嫌がって、ヘッドを解くようにアウトに放り出す補正が無意識に入るんでしょうね。さらに、ソール角のトウダウン(2.9度下がる)が大きくて、軌道と当て方がねじれることで「打点がヒール寄りに感じる錯覚」も起こしているようです。
編集N:なるほど! 自分のイメージと実際の軌道の勘違いが、スランプの原因だったわけだ。
フィッター:Kスケさんの開閉角度(1.7〜1.3度)も、実はツノ型のショートネックしては非常に少なく、本来はマレット型が適合するタイプです。そこで今回はあえてオフセットの効いたクランクネックの『TRTL CH』を提案したいなと。
Kスケ:じゃ、打ってみます。(カップイン連発)。コレ、本当にゆっくりというか、絶対に打ち急ぎが入らないパターですね。速く振れないのに球がすごく伸びるから、重いグリーンにちょうどいいし、打感もしっかり音がして距離感作りやすいかも!
フィッター:Kスケさん、アウトからの軌道がおさまって打点がヒールからセンターに移動しました。それに、芝の抵抗を受ける低い打ち出しから、理想的な約2度の打ち出し角へよくなりました。
編集N:2人とも、自分のストローク軌道や開閉の癖をフィッターさんに見極めてもらった途端に、劇的に結果が変わったね(笑)。
キャロウェイ担当者:ね、けっこう皆さん、ご自分のストロークに対する思い込みが強かったのが意外でしたよね。好きな慣れた形状と、自分に合うものが、ズレていることも多いんですよね……。
4種類のネック&4つのソールウェイトで「どんなストロークの癖も補正できる」
編集N:いやぁ、ギア担当の2人なのに、お恥ずかしい限りで……。(ボクは丸裸にされなくて逆に良かった…)フィッターさんの見立てと計測データのおかげで、2人の「こじらせの正体」と『TRTL』による改善理由がハッキリしましたね!ありがとうございます。
オスギ:(耐えろ、オレ……)そ、そうですね……。特にいいのは、座りの良さから来る「アライメントの良さ」かなと。置いた時にソールがフェースが開くこともなく、ピタッとターゲットを向きます。エースのブレード型から菅楓華プロが『TRTL CH』にしたのを見て「よく替えられるなぁ…」と思いましたが、自分も試してみて意外にヨコアライメントの威力を思い知った感じです。
Kスケ:それに、ソールの4箇所のウェイト(5g/10g/15g等)を入れ替えられるのも画期的ですよね。だいたい、普通のパターってトウとヒールのウェイト2つじゃないですか。
フィッター:そうなんです。例えば「コースや調子によって手元でパーンと打つ操作感が欲しい時」は前寄りの浅重心に、「メンタルやショートパットで機械的にオートマチックに打ちたい時」は後ろ寄りの深重心に組み替えることができます。ドライバー用のレンチで簡単に交換できますよ。
Kスケ:そっか。人気の大型マレット系じゃ出来ない、細かな振り感の調整も1本でできるって、けっこう嬉しいかも!日によって違う自分の感覚や、速い・重い当日のグリーンに合わせてパター側でイジれるのは嬉しいです。ただ、高速グリーンの下りとかだと「怖い」くらい転がりいいですよね……。今は最高ですけど。
編集N:そうそう、女子プロたちが続々と切り替える理由も、夏の重たいグリーンが理由みたいだしね。「左右に外しまくる」「重いグリーンで届かない」と悩んでいる人は、ぜひ一度フィッティングを受けて「合うネック形状のTRTL」を選んでほしいね。
◎取材協力・キャロウェイ/トラヴィスマシュー青山店