<全米オープン 2日目◇19日◇シネコック・ヒルズGC(ニューヨーク州)◇7440ヤード・パー70>
27歳のホアキン・ニーマン(チリ)が、第1ラウンドで不適切行為により2罰打を科され「78」とし、8オーバー・139位タイと大きく出遅れながらも、第2ラウンドを「65」の好スコアで巻き返し、トータル3オーバー・46位タイで決勝ラウンドへ進出した。
問題となったのは第1ラウンドの6番パー4。ニーマンはティショットを右に2度OBとし、その直後にクラブを投げる行為に及んだ。大会はこれを規則1.2b(プレーヤーの行動基準)に基づく重大な不正行為と判断し、2罰打を科した。
ニーマンは「誇れる行動ではない」と非を認めつつ、「通常はここまで重い処分になるとは思っていなかった」と心境を吐露。それでも「決定は決定。そこから学びたい」と受け止めた。
ペナルティを受けた後、第2ラウンドのティオフまでの約30分間で気持ちを整理し、再スタート。「大変だった。気持ちを切り替えるのに30分くらいかかって、軽く練習してすぐスタートした。でも1番と2番でバーディが取れて、いいスタートが切れた」と序盤の1番、2番で連続バーディとし、6番までに5バーディ(1ボギー)を奪う猛チャージ。「すべてがうまくいっていた。アグレッシブなプレーがはまった」と振り返る。ペナルティ後とは感じさせないプレーで存在感を示した。
今回の裁定の背景には、ツアー全体で進む行動規範の厳格化がある。今季のメジャー2戦目「全米プロ」では、ロッカールームに『プレーヤー・コード・オブ・コンダクト(選手の行動規範)』が掲示され、「選手には、子どもや観客の目にふさわしい適切かつプロフェッショナルな振る舞いを求める」として、主催者は明確な禁止事項を設定した。
怒りに任せたクラブの投げつけや故意によるコースの損傷、不適切な言動などを禁じ、計14項目の具体例を提示している。違反には段階的な罰則が科され、1度目は警告、同一大会中の2度目は2罰打、3度目は失格となる厳しい内容だ。主催するPGA・オブ・アメリカの強い姿勢がうかがえる規範となっている。
この規範は、「マスターズ」での不適切行為をきっかけに強化されたもの。初日に「80」と崩れたロバート・マッキンタイア(スコットランド)は池に落とした15番で中指を立てる行為。さらに14、17番ではクラブを叩きつけた。セルヒオ・ガルシア(スペイン)は2番でミスショットに怒りドライバーをアイスボックスにたたきつけ、ヘッドが折れる事態があった。マスターズ終了後には主催者、PGAツアー、DPワールドツアーが協議を実施。今後も各ツアーで同様の基準が広がる見通しだ。
ニーマンは「自分はコースでの振る舞いに厳しいタイプ」としながらも、「フラストレーションが出ることもある」と率直に語った。規則違反という代償を払いつつも、その直後に見せたプレーは、トップレベルの戦いにおける精神面の難しさを浮き彫りにした。
