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219ヤードからの逆転ならず 笹生優花は惜敗も「やることやって、楽しくできた」

惜しくも1打差の2位に終わった笹生優花だが、ラウンド後は清々しい表情で4日間を振り返った。

所属 ALBA Net編集部
高桑 均 / Hitoshi Takakuwa

配信日時:2023年6月26日 07時17分

<KPMG全米女子プロゴルフ選手権 最終日◇25日◇バルタスロールGC ローワーC(米ニュージャージー州)◇6621ヤード・パー71>

勝負をかけたドライバーショットはフェアウェイど真ん中を捉えた。左に池がある最終ホールで、笹生優花が勝負に出た。イーグルを奪えば優勝、少なくともプレーオフをグッと近づける一打。無情にも2打目はバンカーに入ったが、絶妙なリカバリーショットをバーディにつなげ、クラブハウスリーダーで後続を待った。

9番終了後に悪天候による中断を挟んだが、再開後の10番からアクセルを踏み込んだ。15番までに4バーディで首位タイに並ぶ。ところが16番でバンカーに入れてボギー。1打ビハインドで迎えた17番パー5でもバーディを奪えず、18番のティに立った。ティショットは打ち下ろしで、飛べば飛ぶほどフェアウェイは狭くなる。だがここで放った一打は、ほかの選手を圧倒するほどの完ぺきな当たりだった。そこから打ち上げで残りは219ヤード。3番ユーティリティを握った。

ピンは右奥。キャディのディランさんによると、「カットですこし抑えめでちょうどいい距離」。この2打目がまっすぐ左に飛びバンカーへ。それでもグリーンに乗ってからは十分なスペースがあるため、「外すならOK」だったという。

そこから、あとひと転がりでイーグルという見事なバンカーショットを見せる。バーディを決めて後続のイン・ルオニン(中国)を待ったが、ライバルは最後に2.5メートルを沈めてかわされた。笹生の優勝は次戦以降に持ち越しとなるも、最後まで見せ場をつくった。

「やることをやって結果を待つだけだった」と、後続のスコアは気にしていなかったというが、状況は把握していたに違いない。迷いなく打ったティショットや、ピンを果敢に狙った2打目、直接決まっていてもおかしくなかった3打目と、気合と気持ちのこもった最終ホールは、今後にもつながる。

2021年の「全米女子オープン」以来となるメジャー勝利こそ逃したが、「今週はよかったと思います。やることもしっかりできたし、楽しく先輩方とラウンドもできたので」と、激戦を明るく振り返った。

波に乗ったときの爆発力はいまも健在。次戦は歴代覇者として挑むメジャー連戦となる。「1週間空くので、やることしっかりやって」と整えて、バルタスロールで逃した勝利を見つけにペブルビーチへと向かう。(文・高桑均)

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