<全米女子オープン 事前情報◇2日◇リビエラCC(カリフォルニア州)◇6699ヤード・パー71>
米国男子ツアーではおなじみのリビエラCCだが、女子トーナメントが開催されるのは今回が初めてだ。海外メジャーを制した山下美夢有、古江彩佳の2人も、その独特の難しさに警戒感を示している。
選手からは「グリーンはそこまで硬くない」という声も多く聞かれる。全米女子オープンといえば、硬く締まったグリーンや深いラフなど過酷なセッティングが代名詞。それだけに意外にも聞こえるが、だからといって攻略が容易というわけではない。
今大会のヤーデージは6699ヤード。突出して長いわけではないが、選手たちは口をそろえて「長く感じる」と話す。パー5は3ホールしかなく、海から吹き込む風や独特の芝質も難易度を押し上げている。そして山下が警戒するのも、その一つであるキクユ芝だ。
「海風の難しさと、芝にクッションがある感じ。ねちっこいので、距離も飛ばない」
日本ではなじみのないキクユ芝が、フェアウェイやラフに広がる。ラフではボールが浮く一方で、クラブは芝に絡みつくような抵抗を受ける。見た目と実際の打感にギャップがあり、距離感を合わせるのも簡単ではない。
加えて、グリーンも曲者だ。大小さまざまなサイズのグリーンが配置され、中には大きなアンジュレーションを持つホールもある。山下は「傾斜が意外と強くて、上りと下りでスピードも違う」と警戒を強める。
古江も「グリーンのスピードが速くなったら難しいと思います。傾斜もきついところがあるので」という印象。現時点では極端な速さではないものの、日を追うごとにスピードは増している印象を受けており、今後のコンディション次第では大きな脅威になり得ると見ている。
さらに、風も大きな鍵を握る。この時期のロサンゼルスは、朝は曇り空に包まれることが多いが、昼前になると太陽が顔を出し、青空が広がる。それに合わせるように風も強まり、コースは表情を変えていく。
風に強い古江だが、「感じる風以上に効いている」と海風の影響を強く感じている。「午後の方が吹いてくるので、より風を信じながら打っていきたい」。時間帯によってその強さも変わるだけに、スコアメイクも大きく左右されそうだ。
硬いグリーンや長いラフだけが全米女子オープンの難しさではない。海風、キクユ芝、そして複雑なアンジュレーション。女子の選手が初めて挑むリビエラCCには、見えない難所が数多く潜んでいる。(文・齊藤啓介)

