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日本タイトル7冠の中嶋常幸が約1年ぶりの出場「試合って楽しいな」 待ち受けていたのは悔しい“充電切れ”

中嶋常幸が1年ぶりの決戦で狙うのはエージシュートだ。

所属 ALBA Net編集部
高木 彩音 / Ayane Takagi

配信日時:2024年9月13日 10時00分

中嶋常幸が2021年以来のオープン戦に出場している
中嶋常幸が2021年以来のオープン戦に出場している (撮影:上山敬太)

<日本シニアオープン 初日◇11日◇千葉カントリークラブ・川間コース(千葉県)◇6811ヤード・パー71>

昨年8月末の「マルハンカップ 太平洋クラブシニア」以来の競技となるレギュラーツアー通算48勝を誇る69歳・中島常幸。「日本シニアオープン」に出場するのは21年大会以来となる。初日は気温が34度と猛暑のなかでのプレーとなった。

虎さんは相変わらずのふらふらフィニッシュ【写真】

「エージシュート狙っていたんだよ…」。ホールアウトした中島は報道陣に囲まれると、悔しそうな表情で肩を落として心の内を明かした。前半は2バーディ・1ボギーの1アンダーで終え、後半に進むも「だんだん電池が充電してくださいって出ちゃった」と体力メーターがどんどん低下し、上がり3ホールでは3連続ボギーを喫した。

「(暑さが)はっきり言って辛かった。1番(スタート)から辛かったけど、まだほら、充電している電池があったから(笑)」。2バーディ・6ボギーの「75」で回り75位タイ発進で、69を下回ることはできなかった。「悔しいよね」と顔をくもらせた。

「18番はいいと思ったんだけどね」と話すのは4打目のラフからのアプローチショット。グリーンにキャリ―するもスピンがかからずグリーン奥のエッジへこぼれた。「あのアプローチがあんなに(スピンが)解けて向こうに行っちゃうとは思わなかった。あれはミスじゃなかったんだよ。ショックだった」とボギーを叩いた。今大会の最難ポイントのひとつである25センチの深いラフは思うようにボールをコントロールできない。

大会開催前には、「誤球がこわいよ」と冗談半分にこぼしていたが、十分あり得るほどボールが見えなくなるほど埋まってしまう。日本一のシニアナンバーワンを決める舞台として、良い意味で“出来上がり過ぎている”と言っても過言ではない。誰もが苦しむこのコースのセッティングには中嶋の娘・佳乃さんがコースセッティングコミッティーとして関わっている。

「ピンポジを少し手伝っていると言っていたよ。もうこのラフだったらもう親子断絶だね(笑)」と冗談を言い、その場を笑いに包む。「ピンの位置はよかった。いいところだったよ」と表情をきりっと変えて、真剣な眼差しで評した。娘さんがセッティングに関わっている舞台で戦う父の顔は、どこか誇らしげに見えた。

中嶋はレギュラーツアーの日本タイトル7冠を持つレジェンド。シニアツアーでは2005、06、08年の「日本シニアオープン」の3勝、「日本プロシニア」での1勝を挙げている。競技をするのは約1年ぶり。「試合って楽しいなって思い出したけどね。だけど、もう若くはないから、気持ちだけではどうにもならない。この暑さはほんとに…。でも楽しかったよ。明日はもうちょっといい感じで終わりたいね」。暑さに苦しんだが、久しぶりに目標を持って18ホールを戦い気持ちも弾む。

初日は目標のエージシュートは達成できなかったが、「真剣に頑張る」と2日目も諦めずに挑んでいく。終始インタビュー中に取材陣を笑顔にさせるレジェンド中嶋だった。(文・高木彩音)

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