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「落ち込んでいる暇がない」 開幕から9戦連続予選落ちも…辻梨恵は“無我の境地”

辻梨恵が今季初のアンダーパー発進。負の連鎖を断ち切り予選通過を目指す。

所属 ライター
田中宏治 / Koji Tanaka

配信日時:2025年5月22日 17時56分

<ブリヂストンレディス 初日◇22日◇中京ゴルフ倶楽部 石野コース(愛知県)◇6642ヤード・パー72>
 
落ち込んでる暇はありません。開幕から9試合連続で予選落ちが続く辻梨恵が5バーディを奪い、2アンダーの24位タイと上々の滑り出しを見せた。昨年からスイング、トレーニング、メンタル、食事など、さまざまな面で新たな取り組みを行っており、それは結果が出ないなかでも変わらない。「気分転換はジムで汗を流すことですかね」と、どこまでも前向きにゴルフと向き合っている。

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「なんとなくいいゴルフができそうだなって、そんな予感はありました」。今季初のアンダーパーをマークした辻はそう言って笑みを浮かべた。昨季は終盤の「伊藤園レディス」で2位タイ。その後のQTでも11位に食い込み、今季前半戦の出場権を獲得するなど、新たな取り組みが結果につながっていた。ところが、今季は開幕から不調が続く。
 
「昨年良くなったんですけど、気になるところはまだまだあったので、オフはスイングの修正に取り組んでいました。ただ、それ以前に感覚が合わずという感じで…」。クラブが下から入る癖を修正しようとしたが、上から入れるとこれまでの距離感や感覚からは大きくかけ離れてしまう。合わないものは合わないと割り切ってシーズンを迎えたが、しっくりこない状態は続いている。
 
予選落ちが続き、精神的に厳しい時期を過ごしているのかと思いきや、辻は「周りの方は心配してくれるんですけど、私としては毎回新たな課題が見つかって、それをどう克服するか、一人で考えたり、トレーナーさんたちと相談したりという繰り返し。なので、予選落ちしても前向きというか、落ち込んでいる暇がないですね」。気晴らしや気分転換に何かをするということはなく「ジムで有酸素運動をしている時間はゴルフのことをほとんど考えないので、汗も流してすっきりします」とストイックな一面を見せる。
 
実家は600年続く神奈川県足柄市の長福寺。幼いころは座禅で集中力を養った。現在は頻繁に座禅をするわけではないが「三が日にはやっていますし、一昨年から夏に高校の同級生が監督をしている千葉黎明高のゴルフ部の子たちが座禅をしにくるので、私も一緒に座っています」。多くの時間をゴルフに費やせるのも、その成果かもしれない。
 
シードを持たない選手にとってはリランキングが気になる時期に差し掛かってきた。「結果を出したいのはもちろんなんですけど、その前に一つひとつ積み重ねることが大事だと思っていて、きょうはそれができたかなと思っています」。焦ることなく、ポイントもここからコツコツ積み上げていく。(文・田中宏治)

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