「飛んで止まる」という二律背反の性能を備えつつある最新ゴルフボール。自分に合ったボールを選ぶことはスコアアップにおいて重要だ。ウレタンカバーのいわゆる“スピン系”、アイオノマーカバーの“ディスタンス系”に加え、ルール非適合の“非公認”も合わせた全31モデルの実力を診断。今回は、ウェッジにおける評価を紹介する。
ウェッジに関しては、ロボットテストで弾道を計測できないことから、プロゴルファーの海老原秀聡がタイトリスト『ボーケイSM11(58-06K)』で試打し、50ヤード(±2ヤード)時のスピン量と打ち出し角を計測した。
ここでは予想通り、ウレタンカバーのいわゆる“スピン系”ボールのほうが優位となりバックスピン量が多くなり、キャロウェイ『クロムツアーX』が「8339rpm」で1位となった。アイオノマーカバーの“ディスタンス系”でスピンが最も入ったのはキャスコ『キラダイヤモンド』の「6645rpm」。平均値ではディスタンス系よりスピン系の方が1747.9rpmものスピン量が出るという決定的な差がついている。ヘッドスピードが遅くなるほど、スピン系とディスタンス系のスピン量の差が大きくなることが予想される。
ただし、もう1つの注目点は打ち出し角だ。スピンが多いほど打ち出し角は低く、スピンが少ないほど打ち出し角が高いという相関関係も明確に表れた。打ち出し角が一番高かったのは、ブリヂストン『ツアーB JGR』で36.4度(5239rpm)。スピン量が1位だった『クロムツアーX』は29.5度なので、約7度の差がついている。海老原はスピンで止めるか、高さで止めるか、自分に合うものを選ぶといいと話す。
「通常営業のコースなら、スピンが少なめでも高さで球を止めることはできます。ディスタンス系でスピンアプローチは無理ですが、割り切って高さで止める狙い方をすれば、十分ピンを狙ってアプローチすることは可能です。スコアアップには、自分の打ち方や弾道のイメージに合う方を選ぶことがむしろ重要だと思います」
なお、ルール非適合の“非公認ボール”の平均値は、バックスピン量「4589.5rpm」、打ち出し角「35.6度」という結果になった。
【試打検証したボール31モデル】※順不同
ブリヂストン:『ツアーB X』『ツアーB XS』『ツアーB JGR』『プリセプトPR1』
ダンロップ:『スリクソン Zスター』『スリクソン ZスターXV』『スリクソン Zスター◆』『ロイヤルマックスフライ赤』『ロイヤルマックスフライ黒』『スリクソン XmaX』『ゼクシオハイパーRD』
キャロウェイ:『クロムソフト』『クロムツアー』『クロムツアーX』
テーラーメイド:『TP5』『TP5x』
ミズノ:『Mizuno Pro S』『Mizuno Pro X』
本間ゴルフ:『TW-S』『TW-X』『D-1』
プロギア:『RSスピン』『PRGR プレミアム』『ソフトディスタンス』『スーパーegg』
キャスコ:『キャスコロイヤル3』『キラMAX』『キラダイヤモンド』『ゼウスインパクト』
ゴルフパートナー:『ネクスジェン ツアースペック』『ネクスジェン Dスペック』
解説・試打:海老原秀聡
えびはら・ひであき/1990年生まれ。2012年にプロ入り。試打経験豊富で、繊細な感覚を言語化できる。「GOLF&FITNESS POINT 芝浦」でレッスン活動を行っている。
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