住友ゴム工業(ダンロップ)から、新作ドライバーのアナウンス。「ダンロップスポーツマーケティングは、【RKT FACE】を搭載したスリクソンゴルフクラブのNEWモデル『スリクソン ZXi RKT』シリーズ」ドライバーを9月12日から販売します」と、同社広報。
先月、未発表ながらライアン・フォックスが「全英オープン」を制覇し、翌週にジェニー・シンもリンクスで勝利。そんな未発表時から実績十分の新シリーズ『ZXi RKT』について、先月メディア向け説明会が開催されたが、そこで聞けたアップデートの中身や試打結果についてもレポートしていきたい。
■新タグラインと開発コンセプト『RKT』
冒頭、広報担当者が説明したのは、グローバルで統一された新たなブランドタグライン「OBSESSED WITH IT」だ。「直訳すると『執着する』『沼る』との意味で、ゴルフにハマる皆様へスリクソンが寄り添っていこうと思いを込めました。これまで【プロ向けで難しそう】と言われがちだったイメージの垣根を低くしてより幅広い層にアピールしたい」と語る。
そして、ウッド系の開発コンセプトであり、商品名にもそのまま採用されたのが『RKT(ロケット)』だ。製品担当者は「速く、まっすぐ、遠くに飛んでいくイメージを直感的に持っていただくため、開発コンセプトのロケットをそのまま商品名にあしらい『ZXi RKT』として展開いたします」と、名の由来を明かす。
■飛びの核心【RKT FACE】の3つのエンジンとは?
今回の『ZXi RKT』ドライバーには、同社が持つ「飛びのノウハウ」を結集させた技術の総称【RKT FACE】が搭載され、大きく分けて3つの要素(エンジン)から成り立っている。まず第1のエンジンが、フェース素材が変更された「VRチタン」と、トウとヒールが分厚い肉厚設計「i-FLEXフェース」の融合だ。
チタン材にシリコンを含有させることで粘り強さと高い耐久性、軽量化を実現した「VR-チタン」は、『ゼクシオ14』で高い初速性能を証明済みだが、スリクソンでもフェース面を極限まで薄肉化して反発を高めると同時に、生まれた余剰重量で低重心化にも成功している。
第2のエンジンは、プロや上級者が最も嫌がるミスを抑える「バリアブルローテーション」だ。フェース中央から上部、ヒールからトウに向かって少し開きながらロフトが上を向く構造で過度なフック回転を抑制。トウ上に打点がズレても打出角が右かつ上に出やすくなり、チーピン&ドロップの二大ミスを同時に軽減するとか。
そして第3のエンジンが、剛軟でたわみを増幅する「リバウンドフレーム」。加えて、従来作よりディープフェース化したことも反発を底上げ。通常、ディープ化すると重心が高くなって球が上がりづらくなるネガも生じるが、今作は低重心化に成功しており、ディープヘッドならではの反発力と高打出し・低スピンを両立させた。
■座りが良くなったと、ツアーでも好評
ALBA.netでは松山英樹に始まり、ルーカス・グローバーらが投入した際の『ZXi RKT LS』の高い初速性能を報じてきたが、担当者は「一部のプロからは現行モデルより【確実に5ヤードくらい飛んでいる】との声をもらっています。数値的にも初速感・飛距離ともに確実に進歩しています」と自信をのぞかせる。顔つきにシビアな松山も「ドライバーは構えやすさと、初速が大事。構えやすさはもちろんですが、ロケットのような初速と振り抜きの良さが気に入っています」とコメントしている。
市場や一般ゴルファーから寄せられた前作の課題について製品担当者はこう明かす。接客のたび「MAX以外はポンと置いた時に開いてしまう」と言われた“座り”の部分について今作はスクエアに徹底修正。広報担当者も「今のPGAツアーは無理に球を曲げるより、真っすぐ構えて真っすぐ打ち出すのが主流なので、構えやすさはプロにとっても命」と、多くのプロから好評だと言う。
さらに、前作のLSで指摘された甲高く残響音が長い点も改善し、ヘッド内部のサウンドリブで、やや高めながら残響が短い締まった音になった。前作のスタンダードやMAXで散見された「バックスピンが多い」との声に対しても、ディープ化とウェイト位置・重心設計を見直し、無駄なスピンを抑えることに成功したとか。
■2年ぶりの大台突破!『LS』の飛びに驚愕
ダンロップが持つインドア施設で、記者(HS47m/sのローフェーダー)も新作を試すことが出来たが「当日入れたばかり」という弾道計測器『Quad MAX』の設定を思わず疑うほどの初速に驚いた。『スタンダード』もディープになって精悍さが増し「低スピンでロスが少なくなった」と感じたが、次にフォックス、松山、畑岡奈紗らプロたちがこぞって使う『LS』に持ち替えると、飛距離がグンと引き上がった。
初速はここ2年以上、どのメーカーの新作1Wでも出せなかった「72m/s」を2度記録、転がって「もう二度と見れない」と思っていた、まさかの300yd突破に「計測器の激甘設定では?」と困惑した。また、偏肉の【RKT FACE】の効果かトウやヒールに激しく打点を外しても初速が落ちづらく、製品担当者が言った「ツイストフェース」的な逃がしも効いたのか、いつも力んで多発するチーピンの類が皆無で締まった音もかなり好印象だった。
■税込価格も8万円台をキープ!
ドライバーのラインナップは、プレースタイルに合わせて選べる4機種が用意されている。トータルバランスに優れた王道の『ZXi RKT』、吹け上がりを抑えたロースピンタイプの『ZXi RKT LS』、450ccとやや小ぶりで操作性の高い『ZXi RKT TR』、そして直進性と寛容性に優れた『ZXi RKT MAX』という構成は変わらず。
注目のスケジュールは、ドライバー以外(FW・UT・アイアン)も8月22日から試打会が順次始まり、9月12日に正式発売となる。従来の11月発売から9月へと発売時期が前倒しされた今作は、海外ブランド中心に値上げが続く中で、税込89,100円と破格の8万円台をキープ。シーズン真っ只中の最高のタイミングで“ロケット級の飛び”を手に入れたい。(編集部M・K)
