「明治安田レディスゴルフトーナメント」で2年ぶりの通算2勝目を飾った阿部未悠。高いショット精度を誇る彼女のスイングを、プロコーチ・南秀樹氏が分析。アマチュアが参考にしたいポイントも教えてもらった。
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2年ぶりの通算2勝目を飾ったフェードヒッターの阿部未悠プロ。アマチュアにも参考になるポイントが数多く見られるので、そのスイングをじっくり解説したいと思います。
【スクエアグリップ&三角形キープでコンパクトトップ】
オンプレーンかつスクエアフェースでフェードを打ち、今季のトータルドライビング5位。安定したショットを放つ阿部プロのスイングは、バックスイングでややアウトにワイドに上げながらも、トップはコンパクトな位置に収め、ややレイドオフの形を作っています。
グリップはスクエアで、手元もナチュラルに動くため、終始フェースをスクエアにキープ。両ヒジの間隔も変わらず、腕の三角形を保っているので、ダウンスイングでクラブが寝ることなく、精度の高いショットにつながっています。
【左足を背中側へスライドさせて左へ振り抜く】
インパクトでは地面反力を使いながら左へ回転し、ヘッドを走らせています。その中でも、左足の浮きが少ないのは女子選手としては珍しく、力強さを感じるポイントです。
左足の浮きは少ないですが、わずかに背中側へスライドしている点も注目です。左サイドをロックすることなく、うまく力を逃がしながら回転スピードを高めています。この適度な遊びが回転を止めずにクラブを左へ振り抜く要素となり、ボールをつかまえながらも引っかけないポイントになっています。
【切り返しで沈み込み左足に乗る】
切り返しではやや沈み込み、その腰の高さを保ったままインパクトへ向かいます。前傾を崩さずにスイングできているためミート率が高く、スイング全体が安定している点も特徴です。また、切り返しで適度に沈み込みながら体重を乗せる動きは、飛距離アップをはじめ、スイングにさまざまなメリットをもたらすポイントで、多くのゴルファーの参考になるでしょう。
【イチで上げて、ニーで右股関節に乗り、サンで振る】
力強く切り返すには、トップで右股関節にしっかり乗ることが大切です。そのためには、まずアドレスで股関節から前傾すること。また、リズム良く振ることも心掛けたいですね。おすすめは、「イチで上げて、ニーで右股関節に乗り、サンで振る」こと。阿部プロのようにワイドにクラブを上げれば上下のリズムが生まれ、「ニー」のタイミングで右股関節に乗りやすくなります。
その際に注意したいのは、お尻を落とさないこと。前傾角を深くする必要はなく、右股関節に乗ることだけを意識してください。体重を乗せた勢いで自然に沈み込む程度で十分です。トップでしっかり右股関節に乗った後、「サン」でクラブを振れれば、上下の時間差が生まれ、クラブをインサイドから下ろせます。
ボールがつかまらない、ダフリやトップが出るという人は、「ニー」で右股関節に乗ったタイミングでクラブまで一緒に下ろしてしまっている可能性があります。「上げる、乗る、振る」。 この3つのリズムを意識しながら、動きを確認して練習してみてください。
■阿部未悠
あべ・みゆう/2000年生まれ、北海道出身。2021年プロ入り。24年の「富士フイルム・スタジオアリス」でツアー初優勝を飾る。26年に「明治安田レディスゴルフトーナメント」で2年ぶりの通算2勝目を飾ったショットメーカー。ミネベアミツミ所属。
■解説・南秀樹
みなみ・ひでき/プロゴルファーだった父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主軸とした指導法に定評があり、幼少期から鈴木愛を指導するなど、多くのツアープロをサポートしている。(株)ボディスプラウト所属。