正確無比なショット精度を誇るトミー・フリートウッド(英国)。米ツアー1勝、欧州ツアー8勝を誇る彼のスイングを、プロコーチ・阿河徹氏が詳細に分析。アマチュアが参考にしたいポイントを解説してもらった。
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2010年代から2020年代にかけてのゴルフ界を後世が振り返ったとき、ショットメーカーとして、おそらくトミー・フリートウッドの名前は真っ先に挙がるでしょう。歴史に名を残すクラスのショットメーカーだと、私は確信しています。
フリートウッドのスイングのうまさは、写真だけでは伝わりにくいものです。動きの中で初めて見えてくる、あの「スコーンと下へ流れるエネルギー」こそが彼の本質です。
力を下へ伝えながら振っていく。泉のような滑らかさがあり、脱力したまま加速していく感覚ですね。物体の重さによるエネルギーが下方向へ流れ、インサイドのプレーンを使いながらスムーズにクラブを振っています。このように上から下へ振ることで、パワーをダイレクトにボールへ伝えられるメリットがあります。
彼を特に高く評価する理由の一つが、切り返しでクラブに負荷をかける技術です。現代の選手の中でも、この動きはトップクラスでしょう。フリートウッドは右腕を外側にネジる(外旋させる)ことでクラブに負荷をかけています。これによってシャフトが大きくたわみ、インパクトに向かって一気にしなり戻ることでヘッドが走ります。あの高い打ち出しは、まさにこの動きから生まれているのです。
多くの人は、シャフトのしなり戻りはインパクト後に起こるものだと思っています。しかし、実際はそうではありません。
体の回転をスムーズにしているもう一つのポイントが、体を開いて打ちにいく動きです。上から下へクラブを振り下ろしながら、体を開いてハンドファーストでインパクトすることで(シャフトは逆にしなりますが……)、腕と体を同調させてコンタクトしています。この動きによって打ち出す方向をコントロールしているのです。体を開くとカット軌道になりそうですが、右腕を外側に回すことでインサイドからの軌道を作っているといえます。
この動きは、アマチュアにも大いに参考になるポイントでしょう。ぜひフリートウッドのスイングを参考にしてほしいですね。
■トミー・フリートウッド
1991年生まれ。イングランド出身。2013年の「ジョニーウォーカー選手権」で欧州ツアー初優勝。17年は欧州ツアーで年間王者を獲得。25年はPGAツアー初優勝を最終戦で飾り、年間王者に輝いた
■解説:阿河 徹
あが・とおる/1976年生まれ。藤本佳則や塩見好輝ら数多くのツアープロを指導。現在は東京都の井山ゴルフ練習場でアマチュア向けのレッスンを行っている。古今東西のスタープレーヤーのスイングに精通するレッスンプロ