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吉田鈴が最終Hのバーディでたぐり寄せた大逆転の合格「今まで本当に苦しかった」

4度目の正直。吉田鈴が最終ホールのバーディで合格をたぐり寄せた。

所属 ライター
田中宏治 / Koji Tanaka

配信日時:2024年11月1日 18時00分

<JLPGA最終プロテスト 最終日◇1日◇大洗ゴルフ倶楽部(茨城県)◇6602ヤード・パー72>

注目選手の一人、吉田鈴が4度目のプロテスト挑戦でついに合格を果たした。合格ラインとは5打差の50位タイで迎えた最終日に「69」と巻き返し、トータル4オーバーでフィニッシュ。ホールアウト時点では合格ライン(20位タイまで)に達していなかったが、後続がスコアを落とし、19位タイでプロとしてのスタートラインに立った。

猫?を抱えて合格を喜ぶ吉田鈴【写真】

インの2組目と早いスタートだった吉田は一度戻って待機していたホテルで結果を知った。「待ってられないですよね(笑)。終わった瞬間は落ちたなと思っていたので、あとはひたすら祈ってました」。落ち着かない時間は姉の優利とLINEをして過ごした。「『いけるかな』なんてやり取りをしていたんですけど、決まってすぐに『通ったよ』と伝えました。プロテスト中も連絡をくれて、日本に帰ってきた時は練習に誘ってくれて、なかなか会えないんですけど、すごく気遣ってくれて、一番感謝したいです」。これらからは同じプロとしてツアーでの活躍を目指していく。

絶対にスコアを伸ばさなければならない最終日、覚悟は決まっていた。「私のゴルフはボギーをなるべく打たないスタイルなんですけど、このコースは守ってもボギーを打っちゃうので、バーディとボギーの殴り合いみたいなゴルフをしようと思っていました」。狙い通り、出だしの6ホールで3バーディ。その後、17、18番を連続ボギーとしたものの“殴り合い”のつもりで臨んだだけに落ち込むことはなかった。

最終9番パー4は残り159ヤードから6番アイアンで5メートルにつけてバーディ締め。「奥から2カップぐらい切れるフックラインですごく難しいラインだったんですけど、これを決めれば、もしかしたら通るかもと思って打ちました」。自身が連続ボギーとした17、18番は誰にとっても難しいホール。合格ライン上の選手たちが最後にここを通ることが、ある意味では希望だった。

合格が決まった瞬間は「実感がないというか、これでもうプロテストを受けなくていいんだという解放感がありました。今まで本当にに苦しかったです」。17歳の2021年に初受験し、1打差で合格を逃した。22年は今年と同じ大洗で2打及ばず、昨年は最終プロテストにも進めなかった。今年は初日に7オーバーの90位と大きく出遅れたが「諦めたら終わりなんで、それだけは絶対に信じようと思ってました」と強い気持ちを持ち続けた。

すでにアマチュアとしてツアーで何度もプレーしてきたが、これからはプロとしてその舞台に立つ。「ゴルフ界、JLPGAを盛り上げられる一員になりたいなと思います」。プロテストの注目選手からツアーの注目選手へ、来年は大きな飛躍を見せてくれるはずだ。(文・田中宏治)

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