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山下美夢有の練習量が“ハンパない”! 全英制覇の裏にあったコース滞在時間と変わらぬスタイル【現地記者コラム】

山下美夢有の全英制覇の裏には、とんでもない練習量があった。現地で見た記者も驚愕。

所属 ALBA Net編集部
笠井 あかり / Akari Kasai

配信日時:2025年8月6日 12時00分

山下美夢有が海外メジャー「AIG女子オープン」(全英)を制覇した。米国女子ツアーで身長150cmはひときわ小柄。年々コースの飛距離が伸び、パワーゲーム化していくなか、強風下での正確無比なショットで手繰り寄せた勝利でもあった。キャディを務めるジョン・ベネット氏や、契約するダンロップのツアーレップら、関係者にその強さの秘密を聞くと、口をそろえ「練習量」という言葉が返ってくる。

【写真】山下美夢有の快挙に日本勢がシャンパンシャワーで祝福!

7月にフランスで行われたメジャー大会「アムンディ・エビアン選手権」を終え、山下はオープンウィークを初めて海外で過ごした。スイス、モナコと観光を数日間楽しみ、全英前哨戦となる「ISPS HANDAスコットランド女子オープン」出場のため早めに移動。コースに入る前日、帯同するマネジャーと、こんなやり取りがあったという。

いつも通り『あした何時にコースに入りますか?』と聞くと、山下からは『コースオープンは何時ですか?』との返答が。結果的に朝6時過ぎにはゴルフ場に到着し、朝食、アップと済ませて、午前8時頃から練習を開始したという。休み明けはちょっとのんびり…なんて考えたくもなりそうだが、その切り替えの早さに驚かされた。

山下が長時間、球を打ち込むことはもはや日常茶飯事。“9時・5時”という言葉以上の時間をコースで過ごすことも少なくない。記者も、かなりの時間をコースで過ごすが、練習日に関しては山下の滞在時間にはかなわないと思ってしまうほどだ。

前述したスコットランド戦でのプロアマでは、山下は待機選手として午後3時頃から午後5時頃までコースで過ごす必要があった。多くの選手はその時間に合わせて練習をするのが一般的だが、山下は、この日も午前6時頃にはコースに来て、7時すぎには練習場にいた。

スタート1時間30分~1時間45分前に練習を開始するのが、決まりのルーティン。結果的にこのプロアマの日は、出番こそ回ってこなかったが、午前9時からハーフを回ると、昼食を挟んで、午後も練習漬け。規定時間を練習場で過ごし、その後ケアへと向かった。ちなみに、初日のラウンド終了は午後7時頃だったのだが、練習場がクローズする午後8時まで球を打っていたという。

もちろん、全英会場に入っても、それが変わることはない。「74」と落としながら1打リードの単独首位で終えた3日目のラウンド後も、午後7時頃にホールアウトし取材対応を終えると、そのまま練習場へ向かった。ここではコーチである父・勝臣さんが日本から足を運んでいたが、スイングチェックをしながら約1時間ほどを過ごしていた。このとき練習場にいたのは山下だけ。「スッキリはせず」に切り上げると、24歳の誕生日当日をレストランで祝って午後11時頃に宿舎に戻った後も、父との“深夜会議”が続いた。

勝臣さんが日本にいるときは、テレビ電話を通じて指導を受ける。米国時間の朝(日本時間夜)に通話をして、練習ラウンドをすると、米国時間午後(日本時間深夜)に“おかわり”する姿もしばしば。何時だろうと、電話がかかってくる父は、「あー、起きます、起きます。(生活は)どちらかというとアメリカ時間ちゃうかな?」と言って笑う。

ゴルフがパワーゲーム化していくなか、今季ここまでのドライビングディスタンスは245.22ヤード(146位)と飛ばない方だ。もちろん、クラブセッティングは常に飛距離を求めてアップデートを続けるが、スイングや取り組むことは日本ツアーから何も変わっていないと、父と娘は声をそろえる。

「ショットからリズムをつくっていくので、それが狂うとパターの調子も狂う。そこは徹底してやっていますね。(飛距離の悩みは)特にないかな。特に考えていない。精度とパッティングでどないかなると。日本から変えていることはないです」(勝臣さん)

「(飛ばすために)ちょっと力が入ってしまうときもあった。変えずにやってきたというのが一番よかった。コツコツ地道に、父のアドバイスを聞いた成果が結果にもつながってくれた。(大事にしている技術は)ショートゲーム。飛距離が出ない方なので、正確性やボギーを打たないゴルフ(が強み)だと思う」(山下)

こんなに練習をすれは、ケガも心配になる。ただ、ある関係者は「山下選手のスイングはゆったりとしていて、スイングスピードが速いわけではない。地面に打ち込むタイプでもない。飛ばないからこそ、手首への負担がほかの米ツアー選手よりも少ないのかもしれません」と話す。ちょっぴり合点がいった。

2025年の全英覇者は、誰もが認める練習の虫。“努力はひとを裏切らない”という言葉を体現するかのように、小さな巨人が大きな快挙をやってのけた。(文・笠井あかり)

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