＜JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ　最終日◇26日◇宮崎カントリークラブ（宮崎県）◇6497ヤード・パー72＞

国内女子ツアーの最終戦は、単独トップで出た山下美夢有がトータル10アンダーで逃げ切り、大会連覇を達成した。今季5勝目（通算11勝目）の山下はメルセデス・ランキング1位となり、史上8人目、最年少（22歳116日）での2季連続女王を戴冠。史上初となる2年連続のシーズン平均ストローク60台を達成した。

今季はFWキープ率も1位（79.08％）だが、「今年1位ですか？　けっこう曲がってるイメージがあったので、私の中では納得いかない感じがあって。海外で戦った時とか中々フェアウェイに行かない時もあったんで、その分、精度を上げるのはやっていました」と、本人も驚く。今季は春先に4勝するも、海外メジャー参戦を機に、持ち球のドローに迷いが出ていた。

「向こうはフェードが求められるコースも多くて、ドローだと中々ピンに寄せられないホールもけっこうあった。そこから私の持ち味のスイングができなくなってしまったりして、ドローを嫌がって次はフェード気味の球が出て。逆球が出たりしたので、急に変えてしまった部分が良くなかったかな」（山下）

10月半ばに取り組みを一旦やめ、原点回帰で「戻したというか、もう1回しっかり自分のスイングの位置を確認した」とのこと。その仕切り直しの考えは、昨年の優勝パターでもある地元・大阪のリアライズ製『SQUADプロトタイプ』パターに戻したことにも表れている。

「パターをけっこう替えていて、それがちょっと良くなかったな……。色々替えてしまった。1週ごとに替える勢いだったので、何がいいとかそういうのもなく、不安の方が大きかった。もう、とりあえず前使っていたパターを使い続けようと思って」

ちなみに、ダンロップ製の13本は今季4勝目を挙げた6月の「ニチレイレディス」から不変で、サポートするフジクラも「前回の優勝から特にシャフトのテストをしておりません」。スイング変更や度重なるパターチェンジなど紆余曲折を経ても、今季の山下は平均ストローク、FWキープ率、平均パット（パーオン時）、パーセーブ率、平均バーディ数、ダブルボギー率、パーブレーク率など主要6部門で1位を記録した。

なお、ダンロップのボール使用者は、今季38戦して19勝と“勝率5割”を達成。内訳はスリクソン『Z-STAR XV』が14勝（山下美夢有5・岩井明愛3・岩井千怜2・菅沼菜々2・青木瀬令奈・小祝さくら）で、『Z-STAR◆』は5勝（櫻井心那4、青木瀬令奈）だった。

【山下美夢有の優勝セッティング】
1W：スリクソンZX5 Mk II（8.5°スピーダーNXグリーン50SR 45㌅）
3,5W：スリクソンZX Mk II（15,18°スピーダーNXグリーン50SR）
4,5U：4,5U：スリクソンZX Mk II（22,25°ベンタスHB70S）
6I～PW：スリクソンZX5 Mk II（DG85 R300）
48,52,58°：クリーブランドRTX6 ZIPCORE（DG85 R300）
PT：リアライズ SQUAD プロトタイプ
BALL：スリクソンZ-STAR XV