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“ツアーで一番小さいグリーン”が今年はチャンスを量産? 飛ばし屋有利のバーディ合戦を制するのは…【大西翔太のSHOWTIME】

今季の国内女子ツアー第16戦。青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏が、展望を語る。

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2023年6月16日 08時15分

大西翔太氏がV候補に挙げる4人。左上から時計回りに岩井千怜、岩井明愛、吉田優利、山下美夢有。
大西翔太氏がV候補に挙げる4人。左上から時計回りに岩井千怜、岩井明愛、吉田優利、山下美夢有。 (撮影:GettyImages)

<ニチレイレディス 初日◇16日◇袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コース(千葉県)◇6621ヤード・パー72>

今週の国内女子ツアーは、兵庫県から千葉県に場所を移しシーズンの第16戦が行われる。4日間大会に挟まれる3日間競技だが、この試合後にはQTランクで出場する選手たちにとって中盤戦の出場権を左右する第1回リランキングが行われるなど見所が十分だ。その戦いを制するのは? 青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏が展望を語る。

■状況がガラリ一変…優勝には2ケタアンダーが必須

2014年から申ジエ(韓国)が3連覇を果たすなど、通算4勝。18、19年には鈴木愛が連覇を達成し、その他の優勝者を見ても、昨年の西村優菜や、17年のテレサ・ルー(台湾)といったメジャー女王クラスの選手が歴代覇者に名を連ねるのが、袖ヶ浦での戦いの特徴といえる。

それは、これまでグリーンが硬く、速く、さらに「ボールが見えなくなることがあった」(大西氏)というほど深いラフなど難セッティングのなかで優勝が争われていたからだ。グリーンで言えば、サンドウェッジで5ヤードランが出たり、逆に5ヤード戻されるなど、落とす位置によってその後のボールアクションがまちまちで計算を立たづらかった。鈴木の連覇スコアを見てもともにトータル9アンダーと、決して伸ばしあいにはならない大会だった。

しかし昨年の西村はトータル17アンダーで勝利と、近年は傾向が変わってきている。それは大西氏も認めるところで、今年は「雨の影響もあってか、グリーンが軟らかくて、そこまでスピードは出ません」ともいう。このコースのグリーンは「シーズンで最も小さい」というほど個性的で、選手たちもそれは警戒するところ。とはいえ、これでコンパクションが硬ければ厄介な存在だが、今年のように軟らかければサイズを気にせずピンを狙え、かつ少しピンから逸れても「乗せてしまえばバーディチャンスです」という恩恵すら受けられるグリーンに一変する。

■飛ばし屋有利のコースで躍動するのは…

こういった状況を踏まえ、大西氏は優勝スコアについて「2ケタアンダーになります」とキッパリ。さらに「飛んで曲がらない選手が有利です」とも付け加えた。その観点から見て、真っ先に上位争いをけん引しそうな存在として名前を挙げたのが岩井明愛・千怜の姉妹。2人ともドライバーの飛距離・正確性は条件に合致し、千怜は先週、完全優勝と状態もいい。

さらに練習場での打球を見ていて、大西氏が「調子がいい。狙ったところを外さない」とうなった山下美夢有も本命候補のひとりになる。それに加え期待を寄せるのが、地元・千葉県出身の吉田優利。「地元勢に頑張ってもらいたい。辻村さん(吉田を指導する辻村明志コーチ)も千葉出身ですし、県民が燃える試合でしょう」と、同郷選手の活躍にも力をこめる。

とはいえ、もちろん注意すべきポイントもある。18番パー5はティが例年より後方に設定され、おいそれと2オンを狙える状況ではなくなる。さらに最長の506ヤードから打つと、フェアウェイ左に配置されている深いバンカーを越えるのには、キャリー250ヤードが必要。ここに入れてしまうと、あとはウェッジで出すだけという状況になりノーチャンスになる。このようにはっきりと落としてはいけないところも点在する。とはいえ、それを避けることさえできれば、ラフが短いところも多くなっており「自然とスコアが出る」というセッティングだ。派手なバーディ合戦必至という展開が予想される。

解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。

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