「マイヤーLPGAクラシック」でプレーオフを制し、日米通算ツアー16勝目を挙げた山下美夢有。再現性の高い彼女のスイングを、プロコーチ・南秀樹氏が分析。アマチュアが参考にしたいポイントも教えてもらった。
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精度の高いショットを武器に、米ツアー通算3勝目を挙げた山下プロ。アマチュアにも参考になる、再現性の高いスイングをじっくり見ていきましょう。まずはバックスイングからです。
【ヒザとヒジの間隔を保ってクラブを上げる】
体重移動が少なく、左右対称のスイングで抜群の再現性を誇っています。動き出しから、下半身は両ヒザの間隔、上半身は両ヒジの間隔が変わることなく、ヒザや肩の高さもキープ。クラブが暴れず、きれいなプレーンを描いています。
始動ではフェースをシャットに被せる動きが見られますが、身長150センチと小柄でヨコ振りになりやすいことを考えれば、決して極端なシャットではありません。フェースが開く要素を早めに消していることで、安定した動きにつながっているのだと思います。
【右足がスムーズに回って毎回同じフィニッシュへ】
インパクトからフォローにかけては、右足がスムーズにターンしていて、特に右ヒザから下の動きは抜群です。インパクト前後で右ヒザが左ヒザへ寄り、ボールを叩けるポジションを作った後は、止まることなく回転しています。
後方から見ると、フォロー以降で右足の裏が真っすぐきれいに見え、今にも目標方向へ歩き出しそうなほど。山下プロのように、左足に乗ったバランスのいいフィニッシュを毎回取れれば、大きくボールが曲がることは少なくなるでしょう。
【体重移動が少なくイン・ストレート・イン軌道で振る】
左右の体重移動が少ないスイングは、切り返しの動きもおとなしく見えます。その中でも、手元と足が引っ張り合うような適度な緊張感があるため、ヒジの間隔を保ち、肩の高さも変えずに回れているのだと思います。
イン・ストレート・インの軌道で、スクエアフェースのままインパクトを迎えているのも素晴らしいポイント。「打点がブレる」「ヘッドスピードなりの飛距離が出ない」という人は、ぜひ参考にしたい部分です。
ボールを真っすぐ飛ばすには、フェース面の安定、入射角、軌道の三拍子がそろうことが理想です。ただ、ドライバーは高MOI化したことで、「真っすぐ下ろしたつもりでもフェースが開いていた」という認識のズレが起こりやすくなっています。
実際、インサイドからクラブを下ろせているのに、「フェースが被ると左へ行く」と警戒して、フェースを戻し切れていないアマチュアも少なくありません。
【左腕とクラブが一直線で当てるならクロスハンド打ちドリルが◎】
スクエアフェースの感覚をつかむには、クロスハンドで握り、肩から肩までの振り幅でボールを打ってみてください。左肩からフェースまで、左腕の外側すべてが“ひとつの面”になっているイメージでスイングします。
こうすることで、左肩からヘッドまでの関係性が変わりにくくなり、山下プロのように左腕とクラブが一直線の状態を保ったままインパクトしやすくなります。
注意したいのは、アドレスで左ヒジが目標方向を向いてしまうこと。やや上から握るのは問題ありませんが、左ヒジが目標方向を向くとクラブをインサイドに上げやすくなり、フェースが開く原因になります。ヒジや肩はリラックスして構えてください。
インパクトでフェースをスクエアに戻し、ストレートな弾道を打つ。究極の理想形が山下プロのスイングには詰まっています。
■山下美夢有
やました・みゆう/2001年生まれ、大阪府出身。2022、23年と2年連続で年間女王を獲得。24年も2勝を挙げたものの、メルセデス・ランキングは竹田麗央に次ぐ2位。25年から米女子ツアーを主戦場とし、「AIG女子オープン」で海外メジャー初優勝を果たした。26年「マイヤーLPGAクラシック」では、プレーオフの末に米ツアー通算3勝目を飾った。花王所属。
■解説:南秀樹
みなみ・ひでき/プロゴルファーの父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主軸とした指導法に定評があり、幼少期から鈴木愛を指導するなど、多くのツアープロをサポートしている。(株)ボディスプラウト所属。
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