キャリアグランドスラムを達成したローリー・マキロイ(北アイルランド)。37歳となった現在も、圧倒的な飛距離と高い精度を誇るスイングを武器に第一線で戦い続けている。そのスイングをプロコーチ・阿河徹氏が詳細に分析し、アマチュアが参考にしたいポイントを解説してもらった。
◇ ◇ ◇
マキロイのスイングで興味深いのは、ドライバーとアイアンで右足の使い方が異なることです。
ドライバーでは、インパクト付近で右足を伸ばし、体の回転にブレーキをかけます。そうすることでクラブが勢いよく走り、ヘッドスピードを最大限に引き出しています。一方、アイアンではそのような右足の使い方はせず、右足も含めて体全体が流れるように回転します。フェースを急激に返さず、ラインを出しながら打ち出す方向をコントロールするための打ち方です。
ドライバーは曲がるときには大きく曲がりますが、それもこの動きによるものです。その一方で、圧倒的な飛距離を生み出す大きな要因にもなっています。
スイングを後方から見ると、インパクト直後からグリップエンドが見えてきます。最近のプロにはあまり見られない動きで、リリースして手首が返ることで可視化される特徴といえるでしょう。
もう一つ見落とせないのが、フェース管理の方法です。左手にかなり強いフックグリップを採用しながらも、フェースはスクエア、あるいはわずかにオープン気味で管理しています。シャットフェースになる場面はほとんどありません。
若い頃はもう少しシャットに使っていましたが、年齢を重ねるにつれてスクエアに近い使い方へと変化しています。左手首は軽く甲側に折りながら、フェースはスクエア、あるいはややオープンの状態を維持。右足を伸ばしてリリースすることでフェースをターンさせるため、あえてシャットフェースを作らないことが重要なのです。
このややオープンに構えてインサイド・アウト軌道で振るスイングを、アマチュアがそのまま真似すると、右へのプッシュが出やすくなります。インサイド・アウト軌道ではフェースが開きやすくなるためです。
取り入れるのであれば、左手のフックグリップに加え、アドレスでフェースをややシャットに構えることでボールがつかまりやすくなり、飛距離アップも期待できます。飛距離に悩む人は、一度試してみる価値があるでしょう。
■ローリー・マキロイ
1989年生まれ、北アイルランド出身。欧州ツアーでの活躍が注目を集め、2011年には「全米オープン」でメジャー初制覇。翌年に「全米プロ」、14年に「全英オープン」、「全米プロ」を制した。キャリアグランドスラムがかかってから11度目の挑戦となった25年、「マスターズ」を制し悲願達成。史上6人目の快挙を成し遂げた。さらに26年に「マスターズ」連覇を達成している。
■解説:阿河 徹
あが・とおる/1976年生まれ。藤本佳則や塩見好輝ら数多くのツアープロを指導。現在は東京都の井山ゴルフ練習場でアマチュア向けのレッスンを行っている。古今東西のスタープレーヤーのスイングに精通するレッスンプロ。
◇ ◇ ◇
●森田理香子のドライバ―ショットを詳細分析! 関連記事『ヘッドを“ポン”と置くだけでインパクト効率激変!?……』を読めば、その秘密が分かります。